キューバ出身のアーティスト、マベル・ポブレット氏の国内初の展覧会が、東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールにて4月2日(日)まで開催される。
キューバで生きてきたポブレット氏だからこそ気づいた、若い世代のアイデンティティ、そして世界とのつながり。さまざまなメッセージ性を持つ作品を通して、自身に新たな視点を取り入れてほしい。
キューバ社会と世界について語るマベル・ポブレット氏
マベル・ポブレット氏は、写真やミクストメディア、ビデオアート、キネティックアート、パフォーマンスアートといったさまざまな手法を取り入れて多彩な制作活動を行い、キューバの現代アートを牽引する若手アーティストの一人。
2017年にヴェネチア・ビエンナーレで「SCALE OF VALUES」が展示され、世界から注目を集めるところとなった。
ポブレット氏は、フィデル・カストロ政権下のキューバで育った若い女性としてのアイデンティティや、世界との関係といった、彼女自身の経験に基づいて作品を創作。
その作品を通して、キューバ社会と今日の世界を語ることで、観る人に自身の体験を共有し、さまざまな問いを投げかける。
日本初個展は“水”や“海”モチーフの作品が中心に
今回開催される「『WHERE OCEANS MEET』マベルポブレット展」では、人間の儚さを考察し、ピラミッド型の折り紙で構成された「My Autumn」シリーズ、移民をテーマにした「Homeland」シリーズ、旅先で撮影した写真のイメージを断片化し、再構成した「Travel Diary」シリーズに加え、映像作品「SUBLIMATION」(「Buoyancy」シリーズより)といった、さまざまな表現法を用いた新作34点を紹介する。
中でも注目したいのは、“水”、そして“海”をモチーフとした作品だ。
時には救い、また時には災いをもたらす“海”。その本質的な役割について、彼女は良し悪しを判断することなく、観察し、語り、問いかけている。
美しいアートを通し、ポブレット氏の問いかけや秘められた言葉を受け取りたい。
「WHERE OCEANS MEET」マベルポブレット展
会期:開催中〜4月2日(日)
開館時間:11時〜19時(最終入場18時30分)
会場:シャネル・ネクサス・ホール
所在地:東京都中央区銀座3-5-3シャネル銀座ビルディング4F
入場料:無料
(IKKI)