5日、既に退任が決まっている李克強総理が最後の政府活動報告を行った。報告内容に目新しいものは無かったが、李克強総理の扱いがあまりに「過去の人」すぎて、ちょっとショックだった。

李克強総理、あからさまな「過去の人」扱い

全人代の報告は、前段で過去1年の政府の仕事を振り返り、後段で今年1年の目標を打ち出す習わしだ。過去の例では、前段の分量が全体の1/4、後段の今年の目標が3/4くらいの配分だったが、昨5日の報告は過去5年間の回顧に8割近くを当て、今年の目標については2割ちょっと、かいつまんで紹介する程度だったのだ。

「今月を最後に退任する人は、自分の業績を振り返れば良いのであって、 今後の施政方針を詳しく説明するのは適当ではない」ということだろうか。しかし、10年前に退任した温家宝総理は、任期最後の報告で、例年どおり今後1年の目標に3/4を当てた報告をしていた(下表参照)。

※ 実際の演説では予定原稿(回顧の部分)の一部を飛ばして読んだようだ。

李総理本人の意向でスタイルが変わったのか、上や周りの意向なのかは分からないが、李総理が早々と「過去の人」になってしまったようで、寂しい印象を遺した。

※ 新華社の全人代特集ウェブをみても、既に李総理を探すのに苦労する。あちこちググって、やっと新華社の外で演説の中継動画を見つけた。この調子では、大会最終日の3月15日、恒例の総理退任演説が聴けるのか心配になってきた。