3月25日(土)、イギリス・シェフィールドで『Sheffield Powerlifting Championships 2023』が初めて開催され、アジア人男子で唯一、牛山恭太選手が出場する。

アジア人男子で唯一の出場!体もすごい、パワーリフティング日本チャンピオンが国際大会に挑む
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

世界パワーリフティング連盟(IPF)と提携する本大会は、パワーリフティング史上最大の賞金をもつイベントとして注目を集めている。その賞金総額は365,000ポンド(約6000万円)。パワーリフティングはアマチュア競技なので、世界選手権では賞金はなし、日本代表選手の遠征費なども自己負担であることが一般的であるため、この規模の賞金を賭けた戦いは異例であることが分かる。

本大会は、昨年のIPF世界クラシックパワーリフティング選手権で優秀な記録を収めた選手から招待された男子12名、女子12名の合計24名で争われる。牛山選手はIPF世界クラシックパワーリフティング選手権では66kg以下級で3位ではあったが、IPF GLポイント(体重と記録で割り出される評価)は全階級で22番目。アジアでは1番上だったため今回アジア枠の招待選手として出場が決まった。

牛山選手は本大会での優勝の可能性についてこのように分析する。 「本大会は各階級の世界記録に対する自身の記録のパーセンテージで競われます。僕の基準となるのは66kg級の世界記録710.5kgで、練習では730kgを成功できていますので勝てる可能性は十分にあると思っています」

SNSのアカウント名で「世界一になる男」と宣言する牛山選手が、パワーリフティングと出会ったのは2017年で、現在一緒にYouTubeチャンネル『パワーチューブ』を運営するウッディー上田さんに誘われたことがきっかけ。すぐに頭角を現した牛山選手は、初戦の北海道大会で2位、2022年には日本一に輝いた。その成長の原動力は『パワーチューブ』の存在が大きかったという。
「NAOTOさんとウッディー上田さんと3人で『パワーチューブ』を始めてから、多くの方から『パワーリフティングを始めました』とか『動画をみてパワーリフティングをやりたくなりました』などを言ってもらえるようになりました。誰かが観ているから自分も結果を出さないといけないという自分へのプレッシャーや責任感が芽生え、強い気持ちでパワーリフティング競技に取り組むことができています」

YouTubeの更新頻度は週3本ペース。3人ともフルタイムで仕事をしているため、空いた時間を縫って撮影・編集を行っている。意外なことに収益化はせずに、パワーリフティングの普及のためだけにチャンネルを開設しているという。
「3人だから何とか回すことができています。大変ですけど、パワーリフティングを多くの人に知ってもらうための手段としてはとても有効だと思っています。とにかく多くの人にパワーリフティングの大会に出場してほしいです。ジムにいけばBIG3の練習は簡単にできて取り組みやすいし、他のスポーツと違って、すべての選手が、試合では平等に9試技の時間が与えられます。また、順位という相対評価の側面がありつつ、記録という絶対評価があり、成長が明確な数値であらわれるのも魅力です」

牛山選手は、パワーリフティングの魅力を発信すべくボディビルにも出場し、「パワーリフティング競技をしながら、ボディビルダーのようなカッコイイ身体も作れる」というのも同時に伝えている。
「パワーリフティングで世界一になりながら素晴らしい身体をしている選手がいます。僕もそんな強くてかっこいい選手になって、パワーリフティングをもっと多くの人に知ってもらいたいです」