VPNとは「Virtual Privete Network」の略で、インターネット上に仮想の自分専用のネットワークを構築し不正アクセスなどからプライバシーを保護する仕組み。iPhoneでVPNの設定が可能ですが、「オンにするとどうなるか」「オフにするとどうなるか」それぞれ気になる方も多いのでは。
まずは、実際に筆者のiPhoneでVPN(L2TP/IPsec)を設定してみました。今回は、筑波大学が運営している「VPN Gate」を利用しています。
設定手順は以下の通りです。
【1】まず筑波大学が運営する「VPN Gate」にアクセスし、接続したいサーバーの情報を取得します。今回は一番上の日本のサーバーを利用します。【2】左から2列目のDDNS名を使用するのでメモしておきます
【3】②「L2TP/IPsec」をタップすると、アカウント名(ユーザー名)、パスワード、シークレットが記載されているのでこちらもメモしておいてください。今回はいずれも「VPN」となっています
iPhoneで設定するには【4】設定アプリを開き③「一般」をタップします。【4】④「VPNとデバイス管理」をタップします(Androidスマホの場合、設定アプリ→「ネットワークとインターネット」→「VPN」→右上の+ボタンをタップし【7】以降の手順に進みます)
【5】⑤「VPN」をタップし【6】⑥「VPN構成を追加」をタップします
【7】タイプの⑦「IKEv2」をタップし【8】⑧「L2TP」に変更します
【9】⑨「説明」には、好きな名前(今回は「日本Vpn」)を設定します。次に「サーバ」にメモしておいたDDNS名を入力。「アカウント」「パスワード」「シークレット」も入力したら⑩「完了」をタップします。【10】「状況」が「接続済み」になっていれば設定完了です。※「未接続」になっている場合はタップして接続を完了させてください
なお「OpenVPN」を使った接続方法はこちらで詳しく紹介しています。
前述の、iPhoneのVPN接続にはセキュリティの強化やプライバシー保護といったメリットがあります。しかし「常時接続する」必要があるのかは気になるところですよね。不要だと感じるときにもVPN接続されるのは邪魔なこともあるのでは?
基本的にはVPNを使わなければ普通にインターネットにアクセスしている状態です。 この場合どのようなデメリットやリスクがあるのか、より詳しく解説していきます。
iPhoneのVPNをオフ(削除)する手順
iPhoneのVPNをオフ(削除)する方法は2通りあります。「不要な時にも勝手にVPNに接続されてしまう」という場合は以下の手順でVPNをオフにできます。
ちなみに「そもそもVPNを契約した覚えがないのに接続されている」際は、端末を店頭で購入した時に気付かないうちに有料オプションに加入し、そのままになっている可能性があります。詳細や解約手順については後述します。
VPNを削除する場合
iPhoneのVPNは以下の手順で削除可能です。
【1】「設定」アプリを開き①「一般」をタップします。【2】次に②「VPNとデバイス管理」をタップします
【3】③接続済みになっている「VPN」をタップします。【4】接続されているVPNが表示されるので④「iマーク」をタップし、⑤「VPNを削除」をタップすれば削除完了です
なお、Androidスマホの場合は、設定アプリ→「ネットワークとインターネット」→「VPN」→削除したいVPN横の歯車アイコン→「削除」で削除可能です。
プロファイルを削除する場合
プロファイルを削除してVPNをオフにする方法もあります。
「VPNとデバイス管理」の画面にいくまでは前述した「VPNを削除する場合」と同じです。
【1】プロファイルを削除する場合は①構成プロファイルの部分をタップします。【2】②「プロファイルを削除」をタップすれば削除できます。ただし、プロファイルにはiPhoneのSIMカード設定などの重要プロファイルも含まれています。間違えて別のプロファイルを削除するとiPhoneでインターネット接続ができなくなる可能性があるため、注意しましょう
VPNをオフにするとどうなる?常時接続する必要はある?
一般的な使用であればVPNをオフにしたからといってすぐに危険にさらされるわけではないですが、以下の情報を扱う場合は常時接続がおすすめです。
VPN接続では通信が暗号化されるので不正アクセスからプライバシーを保護したり、セキュリティ強化による重要データの漏洩防止に役立っています
・機密性の高い情報にアクセスする
・フリーWi-Fiを使用する
・海外インターネットに接続する
・とにかく安心してインターネットを利用したい
といった人は常時接続した方がベター。「信頼できるVPN」ならばデメリットはほぼありません。通信速度が遅くなってしまうので、オフにするなら安全面より通信速度を重視するときくらいでしょうか。
VPNをオフにした場合、暗号化が解除されセキュリティは低下します。個人情報漏洩のリスクが高まるだけでなく、機密性や秘匿性のある情報や金融取引を行う際に第三者からの不正アクセスを許してしまう可能性も。とくに街中などフリーのWi-Fiを利用する際は、情報漏洩のリスクが高くなります。
VPNをオフにした際のリスクの詳細は以下の通りです。
IPアドレスや各種通信履歴など個人情報が第三者に傍受される可能性がある
スマホやPCなどの端末には必ず割り当てられたIPアドレス(識別番号)があり、基本的に誰でも確認できます。VPNをオフにした場合、ここからユーザー情報に不正アクセスされ個人情報が漏洩する可能性があります。
クレジットカード情報の入力などに要注意
インターネットショッピングでクレジットカード情報を入力したり端末で金融情報にログインする際に、個人情報が漏洩する可能性があります。とくにフリーWi-Fiを利用するとリスクが高まります。