“サステナブル”を求める波がワイン界にも。

CO2削減のためギフトボックスを廃止したシャンパーニュメゾン・テルモンが、グローバル・ワイン・マスターズ・アワード2023の「デザイン&パッケージング」カテゴリーにて金賞を受賞した。

テルモンが「デザイン&パッケージング」カテゴリーで金賞受賞

今回のグローバル・ワイン・マスターズ・アワードでは、環境に対する考え方が刻々と変化する現代社会の在り方を鑑み、初めて「デザイン&パッケージング」カテゴリーを新設。

金賞を受賞した「テルモン」においては、二酸化炭素排出量を大幅に削減することを目指す「母なる自然の名のもとに(In the name of Mother Nature)」プロジェクトのもと、業界の常識にとらわれずギフトボックス廃止をどこよりも早く表明した姿勢と、無駄をそぎ落としたボトルの美しさ、そしてすべての情報を透明性を保ちつつ表示している点などが評価された。

テルモンが掲げる5つのマニフェスト

環境に対する取り組みが評価されたテルモン。彼らがどのようなこだわりを持ってワイン造りに取り組んでいるのかについても解説したい。

テルモンでは、「テロワールと生物多様性の保全」「エコデザインの普及」「二酸化炭素排出量の削減」「物流システムの見直し」「透明性」の5つをマニフェストに掲げてワイン造りを行っている。

このうちの「エコデザインの普及」と「透明性」が、先ほどの金賞受賞理由とも重なる部分だ。

同メゾンでは、2021年から外装材やギフト包装材の製造と使用を禁止。透明ボトルの使用も2021年に廃止し、ガラスの85%はリサイクルで製造、そして使用後は100%リサイクル可能なグリーンボトルに切り替えている。

また各ボトルにシリアル番号を表記することにより、生産工程のすべてを追跡できるように工夫。生産に関する全情報と内容の詳細をフロントラベルに表示している。

メゾン保有のぶどう畑は100%オーガニック認証

同メゾンが所有するぶどう畑は、100%オーガニック認証を獲得している。またそれだけでなく、パートナー生産者の56.5haにおよぶ畑のオーガニック認証取得も支援。同メゾンでは、2031年までに関連する全ぶどう畑が100%オーガニック認証されるよう目指すと表明している。

さらに、ぶどう畑だけでなく近隣の自然地域も含めた所有地全体にわたって、生物多様性の保全を促進。今後3年のあいだに畑の周辺に2500本の低木を植えて「インセクトホテル(虫のホテル)」を作ることにより、種の多様性を守るとともに、二酸化炭素を継続的に吸収するしくみを推し進めている。

この他、メゾン敷地内に太陽光発電システムを設置したり、使用車を全て電気自動車に切り替えたりして二酸化炭素排出量を削減。さらに流通を全面的に見直し、間接的にかかわりのある事業者についても温室効果ガスの排出を制限している。

産地やぶどうの品種、ヴィンテージだけでなく、“サステナブル”という点がワイン選びの基準に加わる日もそう遠くはなさそうだ。

テルモン公式サイト

PR TIMES

(IKKI)