●Step3|容器に詰める
何から何まで手作業の工程に「こんなにアナログなの!」と驚く片桐さん、鈴木さんに教えてもらいながら充填作業も体験した。急に出てきそうで怖いと狼狽えながらも無事完成。
「シンプルなだけにテクニックがたくさん詰まってますね、すごい」
そもそも、絵の具の材料とは? ということで、次に見せてもらったのは材料を配合する「粉場」。
ここには色を作るための顔料や油、つなぎとして使う材料などの重い缶や大袋が所狭しと置いてある。壁には顔料を掬うためのスコップが並んでいて「これがもうアート!」と片桐さん。
月光荘に代々伝わる秘伝の絵の具レシピも保管されており、昔はレシピを盗む人もいたため「A500」「S160」など記号で書かれているのだそう。「暗号みたい」と片桐さんは目を光らせていた。
最後はカフェでコーヒーを飲みながら、代表の日比康造さんにこの場所にかける思いを伺った。
「“アートの公民館”みたいな場所を作りたいと思って。大人が子どもの手を引いて、絵の具を作っている現場を見たり、ここに集うアーティストと話をする。そうやってアートを身近に感じてほしくてこの場所を作ったんです」
気軽に工場見学へ来てみたつもりが、思いのほか熱い思いを聞くこともできた。片桐さんと日比さんはすっかり意気投合し、その後も2人のアート談義は続いていた。
【取材協力】
月光荘ファルベ
埼玉県入間郡三芳町竹間沢324-6
TEL:049-259-4116
営業時間:12:00~18:00(火~木曜)、~22:00(金・土曜)
定休日:日・月曜
アクセス:東武鉄道「みずほ台駅」より徒歩20分
撮影/むかのけんじ
提供元・男の隠れ家デジタル
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