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世界的にインフレが進む中、先進各国では賃上げを要求する大規模なストライキが実施されています。
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一方、日本ではストどころか春闘は順調そのもの、決裂の“け”の字も出ないまま無風通過となりそうです。こういう従順な姿勢こそが「失われた30年」の原因だという声もありますね。
日本からデモやストライキが姿を消して久しい。英国やフランスの賃上げ要求の大規模なデモやストライキを見れば、日本が30年ものあいだ実質賃金が上がらなかったのも当然だと納得がいく。労働運動は庶民にとって強力な武器である。賃上げは政府の掛け声や財界のお情けで実現するものではないのだ。 D1lhl5c5j
— m TAKANO (@mt3678mt) February 3, 2023
どうして日本人は自身の属する組織に対して強く主張しないんでしょうか。やっぱり一部の人たちの言うように「和をもって尊しとなす」みたいな価値観が染みついてるからなんでしょうか。
いい機会なのでまとめておきましょう。
日本でストライキが行われないのはそもそも労使のスタンスに違いがないからまず大前提として、会社が負担できる人件費は経営環境で大方決まっているため、気合や根性でどうにかなるものではないです。
会社をずっと存続させつつ、人材を含めたいろいろなものに投資をして利益を伸ばしていこうと考えたら、人件費の合理的な水準はだいたい決まっているものなんですね。
「定年を引き下げる」とか「解雇しやすくする」とか、あるいは「社会保険料を引き下げる」といった具合に、環境の方に手を加えれば手取りを増やすことは可能でしょう。
でもそれらは政治マターであって労使で交渉するテーマではないですから。