目次
コーヒーかすが肥料に向く理由と使えない理由
コーヒーかす肥料を作る方法
コーヒーかすが肥料に向く理由と使えない理由
コーヒーかすがそのまま肥料に使えない理由
そのまま使えない理由1.窒素飢餓

コーヒー粕は若干の窒素を含んでいます。そのまま使うと逆に土壌中の窒素成分が減少して植物が肥料不足になる(窒素飢餓)
引用元: https://www.pref.kanagawa.jp 引用元:神奈川県ホームページ農業技術センター|コーヒー粕の農業利用| 有機質であるコーヒーかすは肥料にできるといわれていますが、コーヒーかすそのままを肥料として使うのには植物にはよくないことがわかっています。それはコーヒー豆に含まれるチッソ成分が土に反応して逆に栄養が不足するような事態になってしまうためです。
そのまま使えない理由2.成長阻害成分
コーヒーかすそのままでは肥料に向かないもうひとつの理由が、コーヒーかすに含まれるといわれる成長阻害成分のせいです。肥料にするつもりが逆に植物が大きくなろうとする力を邪魔してしまうのは困りものでしょう。
使用済みのコーヒー豆を肥料とする場合は、必ずひと手間加えて発酵させた堆肥として使うことをおすすめします。
コーヒーかすを肥料にしたい理由

肥料にしたい理由1.作るのが簡単
コーヒーかすは肉眼で見てはわかりませんが中にたくさんの穴が開いていてそこが土壌の微生物の活性化に役立ちます。コーヒーかすそのままは炭素を含む有機質で分解を待たないと肥料としては使えませんが、それはただ分解が進むまで待てばよいだけ。
時間さえ経過すれば良質な堆肥ができるので初心者の方にも難しいこと不要で簡単に安全な肥料を作ることができるでしょう。
肥料にしたい理由2.堆肥の消臭効果
これはコーヒー豆の多孔質のもうひとつの活用方法なのですが、表面積が大きいことによりにおいの吸着力が大きくて堆肥独特のくさい匂いをコーヒーかすが減らしてくれ消臭対策になります。
肥料の土壌に与える効果そのものには関係ありませんが、もしこの堆肥のにおいが有機肥料を使いにくい理由であるという方にはコーヒーかすを使った堆肥肥料はにおいが少ないという点で非常におすすめできるでしょう。
コーヒーかす肥料を作る方法
コーヒーかすはそのまま肥料にせず堆肥にしなければいけないということが先程の章でおわかりいただけたことでしょう。それでは早速植物の肥料として使える堆肥の作り方をご紹介します。
コーヒーかす肥料の作り方1.準備
堆肥づくりの準備としてご用意いただくものがいくつかあります。堆肥の作り方はひとつではないので必ずこの方法でなければいけないわけではありませんが、初心者の方でもできるだけ少ない材料でできるだけ簡単にコーヒーかす肥料を作る方法としてお試し下さい。
コーヒーかす肥料づくりに用意するもの
使うものは小さめのみかん箱程度のダンボールとそれを覆えるタオルや古いTシャツ。コーヒーかすは使用してすぐの湿ったものでなく天日などで十分乾燥させたからからの状態のもので肥料を作ってください。
このほか落ち葉がたくさんある方はそれを、ない方は市販の腐葉土をご用意ください。これが堆肥づくりのベースとなります。発酵するうちに水分が出てくることがあるのでその調整のための米ぬかもあるとよいでしょう。
コーヒーかす肥料の作り方2.発酵容器

コーヒーかす肥料容器はダンボール箱で
コーヒーかす肥料づくりの容器となるダンボール。プラスチックのバケツなどよりも通気性のある紙容器の方がおすすめです。有機肥料は生きているため息をさせてあげる必要があるためといわれています。
2重にできない場合は底の補強に新聞紙を2-3日分広げて敷いて堆肥から出る水分対策をしてから使うようにすると良いでしょう。
コーヒーかす肥料の作り方3.混ぜる
落ち葉や腐葉土を8割に対してコーヒーかすは2割程度までが限度です。これより少ない分にはかまいません。コーヒーかすは毎日出る分を都度乾燥させて追加していくこともできますので最初はもっと腐葉土などが多い割合にしておくくらいが失敗せずよい肥料となるでしょう。
コーヒーかすと落ち葉または腐葉土を偏りがないようよく混ぜてダンボールの蓋をして古い布類で中に雨水などが入らないように覆って紐などで留めて下さい。
堆肥に息をさせるのと水分には注意
ダンボールを置く場所は多くの方は屋外となるでしょう。発酵しますのでにおいがするからです。そのまま地面の上に置くと時間経過で箱がつぶれてしまうので風通しの良さも重要。さらに箱の上に屋根があり直接雨が当たらないことにも気をつけて置き場所を選んでください。
また箱をつつむものはいくら雨水が入らないからといってもビニールシートなど通気性のないものはいけません。必ず堆肥に息をさせてあげられるようなタオルやTシャツのような布素材にしましょう。
コーヒーかす肥料の作り方4.水分の調整

コーヒーかす堆肥はできあがりまで少なくても1ヶ月発酵させ熟成させます。その過程で中身が熱を持つのが発酵している目印です。何日もたってもあたたかくならない・堆肥全体が水っぽい場合は米ぬかを大さじ1-2杯くらい足してまたよくかき混ぜて様子を見て下さい。
逆に熱があがらずさらさらに乾燥しすぎている場合はほんの少しだけ水を足してかき混ぜ様子を見ます。水の量は足しすぎないよう注意しましょう。
コーヒーかす肥料の作り方5.1-3ヶ月熟成
コーヒーかすは毎日出る人はしっかり乾燥させてからなら都度追加していっても構いません。そのかわり肥料として使えるのは最後のコーヒーかすを足してから1ヶ月後にしたいので足した日付をメモっておくのがおすすめ。
コーヒー豆を足すときも足さないときも毎日必ずよく堆肥肥料はかき混ぜて下さい。ぬか床を毎日かき混ぜないのといけないのと一緒です。かき混ぜ方のコツは全体に空気を含ませる(空気に触れさせる)要領で。