国指定名勝「三溪園(さんけいえん)」にて、3月25日(土)から4月4日(火)までイベント「桜めぐり」が開催される。

期間中は桜と古建築を中心としたライトアップをおこない、3月30日(木)から4月2日(日)はジャズのライブ演奏も楽しめる。春爛漫の日本の美を堪能しよう。

歴史的建造物も魅力的な三溪園

三溪園は、生糸貿易により財を成した実業家・原三溪によって、1906年(明治39年)5月1日に開園された。約17.5haに及ぶ園内には、廃仏毀釈(きしゃく)などによる荒廃から守るために京都や鎌倉などから移築された歴史的価値の高い建造物が並ぶ。

現在、園内にある17棟の古建築のうち10棟が重要文化財、3棟が横浜市指定有形文化財に指定されている。

同園は開園当初から「遊覧御随意」を掲げ、外苑を24時間無料開放するなど、「美しいものはみんなで一緒に楽しむもの」という原三溪の想いが反映されている。また、彼の存命中は新進芸術家の育成と支援の場ともなり、横山大観、下村観山、前田青邨らを輩出するなど、美術への貢献も評価されている。

一年でもっとも華やかな光景を迎える春

東京ドーム約4個分の広大な敷地をもつ三溪園では、3月上旬~4月中旬にかけて9種類約250本の桜が咲き誇り、関東圏ではめずらしい、特色ある岐阜県ゆかりの桜を愛でることもできる。

昼間の景観とは異なる、幻想的な空間の中に浮かびあがる白雪のような桜と歴史的建造物の競演は必見だ。

岐阜県ゆかりの桜など、9種類の桜が咲く

原三溪が現在の岐阜県柳津町出身であったことから、園内には岐阜県ゆかりの桜が3種所在している。

岐阜県本巣市に所在する、樹齢1500年余りと言われる国の天然記念物を親木にもつ「淡墨桜(うすずみざくら)2世」、高山市にある樹齢450~500年余りと言われる古樹を親木にもつ「荘川桜(しょうかわざくら)2世」、そして柳津町で育成されてきた、星形の花弁が特徴の「柳津高桑星桜(やないづたかくわほしざくら)」だ。

このほか園内で咲く9種類の桜は、春の訪れから週ごとに移り変わっていく。

桜のライトアップ

例年、桜の季節にあわせ、外苑の大池周辺の桜と古建築を中心にライトアップをおこなう。

ソメイヨシノや重要文化財の三重塔が大池に映りこんだ幻想的な空間では、横浜市内にいることを忘れるほどの静けさと心安らぐひとときを楽しめる。

横浜ゆかりのジャズを楽しむ夜

横浜は戦後からジャズの町として親しまれ、日本で初めてジャズが演奏された街。日本庭園と同じように、落ち着いたイメージが強いジャズをもっと気軽に楽しめるように、園内随一の桜が咲き誇るエリアでジャズライブを開催する。

演奏は「YOKOHAMA JAZZ EGGS(横浜ジャズエッグス)」。2016年2月に、街中でジャズの生演奏に触れる文化・街づくりを目的に設立された、横浜を中心に活動するグループだ。

開催日は、3月30日(木)、31(金)、4月1日(土)、2日(日)で、雨天の場合は中止。開催時間は、13:00~/14:00~/15:00~で、ライブの時間は各20分程度だ。

なお、料金は入園料のみ、観覧はチップ制となっている。

満開の桜のもと、目と耳で春を楽しみたい。

三溪園 桜めぐり
期間:3月25日(土)〜4月4日(火)
会場:外苑の大池周辺
※17:00以降は、内苑および外苑の奥と三重塔への山道は立入禁止
所在地:神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1
開催時間:18:30頃~21:00 ※入園は20:30まで
通常開園時間:9:00~17:00 ※最終入園16:30
入園料:大人700円

(田原昌)