江戸東京の伝統に根差した技術や産品などを新しい視点から磨き上げ、世界へと発信していく「江戸東京きらりプロジェクト」。同プロジェクトが、東京都文京区にある小石川後楽園にて、3月11日(土)~3月15日(水)の期間、「江戸東京リシンク展」を開催する。

展覧会ディレクターは、現代アートの分野で国内外問わず幅広く活躍する舘鼻則孝氏。日本の伝統工芸と現代文化の調和を体感できる展覧会だ。

Photo by GION

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「江戸東京リシンク展」を小石川後楽園で開催

昨年より継続して開催してきた同展覧会は、新たに制作されたアート作品や伝統産業事業者が保有する貴重な歴史的資料を、江戸時代の大名庭園の一つであり、文化財指定から3月で100年を迎える特別史跡・特別名勝 小石川後楽園で開催する。

さらに今年は、2020年から毎年開催している「江戸東京リシンク展」以来、初となるリアルな場での一般公開を行うため、実作品を間近に見ることができる。

伝統を次世代へ継承していくための試み

「江戸東京きらりプロジェクト」のコンセプトは“Old meets New”。

東京には、数多くの「老舗」が存在する。そこに存在するさまざまな技、文化、伝統を国内外に伝えたいという思いからスタートしたのが同プロジェクトだと舘鼻氏は語る。

舘鼻則孝氏 Photo by GION

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舘鼻氏はこれまで、“Rethink(リシンク)”という言葉を冠した展覧会をいくつか開催してきた。“Rethink” は途切れることなく続く日本の伝統、あるいは文化に、現代的な意味を加えて表現するということを意味する。

今回の展覧会は、東京の魅力を伝える場であるとともに、伝統を次の100年に残していくために今、何ができるのかを改めて考えるきっかけにするための機会だという。

出展する伝統産業事業者を紹介

江戸木版画(えどもくはんが)高橋工房

高橋工房は安政年間に創立し、現在に至るまで伝統の木版画の制作を続けている。170年前の初代から摺師を継承し、現在は3者をプロデュースする「版元」も兼ねている。

江戸切子 華硝(はなしょう)

華硝は1946年の創業以来、常に前進し新しいものづくりにチャレンジし、現在では国賓の贈呈品やサミットなどの国際会議などの記念品として選出されている工房だ。

和太鼓 宮本卯之助商店(みやもとうのすけしょうてん)

文久元年(1861年)、太鼓店として創業の宮本卯之助商店は、太鼓・神輿を製造・販売している。創業以来、祭と伝統芸能の保存と発展に貢献している。

東京くみひも 龍工房(りゅうこうぼう)

龍工房は1963年に創業以来、組紐にあった糸づくり、染色・デザイン・組みまでを一貫して行う都内で唯一の工房だ。

江戸組子 建松

1982年江戸川区にて創業の建松(たてまつ)。釘を一切使うことなく、小さな木片を手作業で組み合わせてさまざまな模様を編み出すことができる。

新江戸染 丸久商店

丸久商店は明治32年、日本橋堀留町にて創業した注染製品の問屋。創業以来、さまざまな柄や図案を産み出し、日本の芸事、季節のお祭りに彩りを添えている。

新しい季節にふさわしい展覧会へ足を運んで、感性を刺激しよう。

江戸東京リシンク展
期間:3月11日(土)~3月15日(水)9時~17時 ※最終入園は16時30分まで
会場:特別史跡・特別名勝 小石川後楽園
所在地:東京都文京区後楽1-6-6

(hachi)