何気なくクルマを走らせていて、自分の好きなクルマが前を走っていたら、あなたならどうしますか?もしクルマ好きなら、そして時間が許すなら、そのクルマをちょっとだけ追いかけてみたくなるかもしれません。
昔なら「スーパーカーブーム」などがありましたが、クルマの種類が増えた今となっては、どのようなクルマを追いかけたくなるかは、人それぞれ。
なかには、いつの時代でもクルマ好きを引きつけてやまないスーパーカーを追いかける時もあるでしょう。
本気で走られると、並のクルマではとても追いつけないので、見えなくなるまで自分も一生懸命走って、「やっぱりスゴイ!速い!」と感心するのも、いい思い出です。
また、雑誌で見たような昔のラリー車のレプリカ、スポンサーステッカーまで忠実に再現している車を追いかけた人もいると思います。
ある意味で貴重、かつ現代のクルマほどの耐久性を持たず、非常に人目につくクルマは、高速道路などで出会っても悠然と流すように走っている事が多いです。
ルノー 5ターボのように独特のリアスタイルを持つクルマは、追いかけているだけで浮き立つような気持ちになります。
また、先に書いたような一般的に誰が見ても「スゴイ!」と思うようなクルマだけが追いかける対象になるとは限りません。
世の中にはさまざまな事情で世に出た台数が少ないクルマ、あるいは現存台数が少ない「レア車」というものが存在します。クルマそのものがレアな場合もあります。
例えば、目の前をオーテック ザガートステルビオが走っていたら、原型の日産F31型レパートと何か共通点があるのか探しながらテールを追いかける事もあるでしょう。
その他に、クルマそのものは何という事の無い大衆車だけども、レアなグレードという場合もあります。
トヨタ カローラが前を走っているのを見つけて、よく見たら「カローラGTだ!」と気づいて追いかける事もあるでしょう。
また、日産 サニーを見つけて、エンブレムからスポーツツインカムのSR16VEを搭載した「B15型のサニーVZ-Rだ!」と気づけば、一体どんな人が乗っているのだろう?と想像するのもまた楽しいものです。
筆者はイギリスやイタリアのスポーツカーが好きなので、そうしたクルマを追いかけるのもまた一興でしたが、もしちょっとした山道のワインディングでバックミラーにそれらのクルマを見かけたら、そのまま追いかけられるような形になるのも楽しいものです。
2台のケータハムのランデブー走行に遭遇した時には、少しずつペースを上げながら、自分が今駆け抜けたコーナーをまるで昔のフォーミュラカーのような出で立ちのセブンが、低い重心とクイックなステアリングでどうクリアしているのかを、チラチラ確かめたりしたものでした。
また、アルファロメオ 75をベースにザガートのボディを載せたスポーツクーペ、SZが迫ってきた時には、猛烈なプレッシャーに「少しずつペースを上げる」などという余裕など無かったものの、バックミラーに迫るSZ特有の6ライト式ヘッドライトをチラ見しては、「今、俺はアルファのSZに追われている!」と、妙に嬉しくなったものです。
しかしなかには、明らかに「ヤバイ筋」の高級車だったり、パトカーなどの警察車両だったりと、追うのも追われるのもちょっと勘弁してほしいな…というクルマもあります。
でも、どちらもたまに渋いクルマに乗っている時があったりするのですよね。
黒塗りのベンツなのだけれども、メルセデス・ベンツ W201型のツーリングレース用エボリューションマシン、190E-2.5-16とか…。
また、日産 R33型スカイラインのオーテックバージョンとして復活した4ドア版スカイラインGT-Rも白黒・覆面問わず交通機動隊のパトカーであることが多かったので、あまり喜んで近づくと何で取り締まられるかわからない…そんな意味ではクルマ好きホイホイの罠的なクルマでした。
そういうクルマは仕方がないので、視界から消えない程度に遠くから眺めて楽しむ…という事もよくありましたね。
自分が所有していなくても、「ああ、いいなあ…いいもの見られたな。」と、ちょっぴりクルマ好きの心を満たしてくれる、だからこそ好きなクルマや気になるクルマを追いかけてしまうのかもしれません。