現金のやりとりは、確認に時間がかかりますし、間違いも多く発生します。また、小銭のお釣りももらいたくありません。
東京のタクシーは後部の客席にタッチパネルがあって、支払いの操作は乗客が行う場合が増えています。運転手さんがやるのは、決済が終わった後の領収書とカードの利用明細をプリントアウトして、利用者に渡すだけ。現金よりもこちらの方が簡単です。
関西のタクシーでカードが敬遠されるのは、端末が古いままで面倒というのが理由なのかもしれません。個人タクシーでなければ、運転手さんは手間のかからない方法を選ぶはずだからです。
飲食店の場合は少し事情が異なるように思います。
老舗の飲食店が現金のみの取り扱いにしているのは、伝統を守るという目的だけではなく経済的メリットも考えているはずです。
私の知り合いには、高級店で食事をする時は、あえて現金で払い、カード決済手数料をお店に負担させない「気配り」をしている人もいます。
3%から5%というクレジットカードの決済手数料は、10万円なら3千円から5千円になりますから馬鹿になりません。お店はニコニコ現金払いがありがたいのです。
確かに、東京でも1000円前後のランチは現金のみの飲食店は少なくありません。
でも10万円近くするような会計を現金でしか受け付けない関西の老舗の対応には、違和感があります。
それが、伝統ある老舗ならではの文化だと感じる人もいるのかもしれません。でも、私にはいまだに強気に非効率な方法を続け、その結果変化から取り残されているようにしか感じられませんでした。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年2月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。