「マリトッツォ」に
「ショートケーキ缶」も

次に、調査では22年に流行したと思うグルメについて聞いた。するとTOP10 には「健康志向」のものが並ぶ一方、健康をめざすなかでは「背徳感」を感じてしまいそうな「チートディ」に食べたいメニューも多くランクインする結果となった(図2)。
健康志向のメニューは、3位の「オートミール」や、4位の「乳酸菌飲料」、5位の「プロテイン」で、低糖質でヘルシーなものや、体を整える栄養素は含まれるものが挙げられている。
一方で、「チートデイ」を連想するメニューとしては、1位は、前述した「0.7食」の代表格ともいえる「マリトッツォ」や、2位の「カヌレ」、6位の「韓国インスタント麺」のほか、7位には自動販売機で気軽に購入できる缶に入ったショートケーキ「ショートケーキ缶」など、カロリーなどを気にせず好きなものを食べたいという欲求を満たすようなメニューが並んだ。

2割以上の人が
「チートデイ」を実施
ちなみ「チートデイ」の認知度は、「知っている人」は62.1%と約3人に1人、実施している人は22.6%という結果となり、比較的高いといえる。
日常的には、健康に気を使った食事をして、ストレス解消や自分へのご褒美に「チートデイ」を設けるといったメリハリのある食生活を実施している消費者が増えているのであろう。新たな消費者の傾向として押さえておきたい変化だ。
最後に、内食・中食・外食のボーダレス化はさらに加速している。内食・中食にもそれぞれの魅力があるが、外食には外食にしか体験できない価値がある。その場に行かなければできない体験からくる感動を味わえる外食マーケットの回復と、さらなる活性化を願ってやまない。

【執筆者】

有木真理(リクルート『ホットペッパーグルメ外食総研』上席研究員)
㈱リクルートライフスタイル沖縄の代表を務めるとともに、ホットペッパーグルメ外食総研の上席研究員として、食のトレンドや食文化の発信により、外食文化の醸成やさらなる外食機会の創出をめざす。自身の年間外食回数は300日以上、ジャンルは立ち飲みから高級店まで多岐にわたる。趣味はトライアスロン。胃腸の強さがウリで、1日5食くらいは平気で食べることができる。
提供元・DCSオンライン
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