2月8日、宇宙利用やビジネスに特化したコンサルティングなどを手掛けるDigitalBlastが、ISSでの細胞実験に特化した小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ Alpha(アマツ・アルファ)」の開発に着手したことを発表しました。

これまでの細胞培養の宇宙実験では、培地(培養対象に生育環境を提供するもの)の交換など宇宙飛行士による操作や作業が発生していましたが、AMAZ Alphaでは、培地や試薬の自動送液機能を搭載し、宇宙飛行士の作業工数を削減します。
AMAZ Alpha は2025年ごろにISSへの打ち上げられる見込みです。ISSに設置された後は、民間企業や研究機関向けに実験環境として提供されます。
DigitalBlast は、装置の一部を回転させることにより生じる遠心力を用いて、月面と同じ地球の6分の1の重力を再現して、植物生理の研究を行う小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ(アマツ)」を開発中です。今回開発に着手したことが発表されたAMAZ Alphaは、AMAZの設計思想を活かして開発が進められます。


2022年11月には、AMAZの設計を三菱重工業に委託したことを発表していました。AMAZは2024年にISSでの本装置の設置・運用を目指しているといいます。
2月6日には、クラフトビールを醸造しているシクロと東京大学の新領域創成科学研究科・大矢禎一教授、奈良先端科学技術大学院大学の先端科学技術研究科・渡辺大輔准教授の研究グループと共同研究契約を締結し、AMAZを利用したビール酵母培養実験に向けた実験条件の検討について研究を開始したことを発表していました。
DigitalBlastは今後も、さまざまなライフサイエンス分野の宇宙実験のニーズに応えるための実験装置を拡充していく考えです。

提供元・宙畑
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