私が数日前に日本のものづくりは復活の兆しがあるかもしれないと申し上げたその背景の一つは80年代に実務部隊として活躍した40-50代が30数年経ち、後期高齢者から上となり、ビジネス社会での影響力が無くなり、平成入社の逆襲が起きてようやく経済、経営の世代交代が生まれているからです。つまり経営に関してはようやくしがらみが取れてきたというのがわたしの実感なのです。
成田氏はそのあたりを鋭く突いているわけです。堀江氏は既に知られ過ぎていて鮮度はとうに過ぎています。ひろゆき氏は自身がビジネスのディープなところから距離を置いてしまい、お調子者的な点で深みがありません。そこに現れたのが成田悠輔氏でその驚くべき曲折した経歴を含め、あまりにストーリー性が大きく、メディアでブレイクしたということかと思います。
では成田氏は堀江氏やひろゆき氏と同じようなコメンテーターとして今後もしばしば出てくるべきか、といえば私はメディアから一旦、消えよ、と申し上げたいです。理由は学者であるなら学者としての成果をもっと上げてほしいし、メディアに登場しまくり、聞き手の本当にくだらない、ばかばかしい質問にも一生懸命真面目に答える価値も意味もないと思うのです。
イェール大学とはいえ、助教授ぐらいでは世界レベルで見れば全然大したことないのです。彼が論文をバンバンだして世界の学者を唸らせる力を持つ中で一般庶民にもわかりやすいトークをするサービスこそ、より影響力があるわけで、今の成田氏は彼の本当の良さをまだまだ生かせていないと思います。
こういう切り口がシャープな方々がもっと社会的影響力を持ってほしいからこそ、応援したいのです。
では今日はこのぐらいで。

成田悠輔氏
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年2月16日の記事より転載させていただきました。