国内外問わず人気の作品『進撃の巨人』と、日本の伝統技術「浮世絵木版画」の職人がコラボ。現代浮世絵として、進撃の巨人 浮世絵木版画「巨人襲来之図」が誕生した。

同作品は、2月25日(土)日本時間12個より、ECプラットフォーム「AKIHABARA PREMIUM COLLECTION」にて全世界限定300枚で予約販売をスタートする。

約200年の時を経た、日本を代表する作品と技術のコラボレーションは見逃せない。

「相馬の古内裏」をモチーフにした『進撃の巨人』の浮世絵

同作品のモチーフは、江戸時代後期に活躍した浮世絵師・歌川国芳の代表作「相馬の古内裏」。廃屋となった相馬小次郎こと平将門の屋敷で、妖術を授かった将門の遺児らが妖怪を出没させ、それを知った源頼信の家臣が妖怪を退治する様子を描いたものだ。

今回の企画では、全世界限定300枚という貴重な作品を製作するにあたり、浮世絵の素晴らしさを伝えるモチーフとして「相馬の古内裏」と『進撃の巨人』の類似性に着目したという。

複数の職人によって制作された「巨人襲来之図」

「巨人襲来之図」の制作には、絵師・塩崎顕氏をはじめ、彫師・北村昇一氏、摺師(すりし)・中山誠人氏、越前和紙職人・人間国宝 九代 岩野市兵衛氏が参加している。

日本画家・塩崎氏の描き下ろし原画を彫師・摺師が形に

浮世絵師としても活躍する日本画家の塩崎氏は、「相馬の古内裏」と『進撃の巨人』の世界観を見事にマッチさせた原画を描き下ろした。

「相馬の古内裏」の迫力ある構図を『進撃の巨人』に合わせ、調査兵団と巨人の戦いにアレンジ。​巨人に立ち向かうキャラクターの特徴を損なわず日本画へアレンジし、制服やマントの細部まで再現した。

また、壁から顔を覗かせる超大型巨人の迫力は圧巻。さらに、国芳の作品に見られる物語の説明も、オリジナルをベースに進撃の巨人の物語をつづっている。

この原画をもとに、彫師・北村氏と摺師・中山氏が作品を完成へと導いた。画角の大きさを通常の浮世絵の約倍ほどの大きさにすることで、圧倒的な迫力と存在感をその内部に宿している。

人間国宝・岩野市兵衛氏の和紙を使用

浮世絵に使用する和紙は人間国宝・岩野市兵衛氏が手がける「越前生漉奉書(えちぜんきずきほうしょ)」。

岩野氏は、伝統技法を深く研究し、格調の高い越前奉書を漉(す)くことに専念する唯一の技術者だ。緻密な作業を繰り返し、驚異の耐久性・保存性を有する最高品質の和紙を作り出す。