「タラへ帰ろう。」のセリフで有名な映画「風と共に去りぬ(Gone with the wind)」。映画ではアメリカの農場の名前で登場しますが、タラという名前は実はアイルランドにあるタラの丘-Hill of Taraから来ています。

私が初めてここを訪れたのが1999年の秋。15年以上の歳月が過ぎ去っていますが、タラの丘は当時と同じく何の変化もなく、神秘さを保ったままで存在していました。

場所はダブリンから車で約40分ほど、ミース州(Co. Meath)にあります。アイルランド観光の見どころの一つでもあります。政治、宗教的にとても重要な場所でもあったそんなHill of Taraを今日はご紹介したいと思います。

タラの丘を地上から見た風景です。

アイルランドの見どころの1つ「タラの丘(Hill of Tara)」
(画像=『たびこふれ』より引用)

右手一番奥の白い建物は教会です。この教会は1822年に建てられたものですが、昔は二つ教会があり、13世紀に建てられたものが存在しました。この教会の周りには墓地があり、古いもので1595年のものが存在します。

この教会は1991年に俗化し、現在はビジターセンターになっています。しかし現在でもセント・パトリックスデーの日一日だけ教会として使われています。タラの丘にはセント・パトリックスの像があります。2000年に建てられた新しいものですが、それは当時絶大的な権威を誇っていたレアリー上王(High King Laoghaire)にタラの丘で立ち向かたと言われている場所だからです。結果、レアリー上王がセント・パトリックに布教を許したといういわれがあります。

教会の横にある庭には古代の立石があります。青銅器時代の物だと言われています。

アイルランドの見どころの1つ「タラの丘(Hill of Tara)」
(画像=『たびこふれ』より引用)

丘に入りるとこちらに辿り着きます。The Mound of the Hostages(捕虜の墓、Dumha na nGiall)と呼ばれる新石器時代の羨道墳です。紀元前2500年以上遡ると言われています。1955年から1959年まで広範囲な発掘が行われ、200体以上の人骨やアクセサリー、食器などたくさん発掘されました。

アイルランドの見どころの1つ「タラの丘(Hill of Tara)」
(画像=『たびこふれ』より引用)

中に入ることは出来ませんが、覗くことは出来ます。

アイルランドの見どころの1つ「タラの丘(Hill of Tara)」
(画像=『たびこふれ』より引用)

石に模様が刻まれているのがわかりますね。神聖なケルティックの祭に関係があります。太陽、月と星をイメージしているとされています。

一番初めの写真の二つの輪のようなもの。上がThe King's Seat (王の座、Forradh)、下がCormac's House(コーマックの居城)と呼ばれています。一番有名なのがThe King's Seatにある、The Lia Fail(立石、Stone of Destiny)です。

アイルランドの見どころの1つ「タラの丘(Hill of Tara)」
(画像=『たびこふれ』より引用)

5000年経っているといわれているこの立石。正真正銘のタラの王がこの石に触ると、石が唸ると言う言い伝えがあります。142の王が君臨したとも言われています。

この立石はその昔、The Mound of the Hostages(捕虜の墓、Dumha na nGiall)の北に位置していたと言われています。しかし、1798年に起こったユナイテッド・アイリッシュメン(United Irishmen、ウルフ・トーンが設立した団体。アイルランドの独立を求めていた)の革命でメンバー400人がこの地で命を落としましたため、その記念碑としてこちらへ立石を移動しました。その横には1938年に建てられた墓石があります。

アイルランドの見どころの1つ「タラの丘(Hill of Tara)」
(画像=『たびこふれ』より引用)
アイルランドの見どころの1つ「タラの丘(Hill of Tara)」
(画像=『たびこふれ』より引用)

歴史に興味がなくとも、タラの丘から見る景色は大変素晴らしいので、来て損はないのがタラの丘です。天気のいい日にはアイルランドの土地の25%がここから見渡せると言われています。