アイルランド西部を旅行するならコネマラ山地のカイルモア修道院とお城は、ぜひおすすめです。現地バスツアーも組まれており毎年多くの観光客がヨーロッパ中から訪れます。まるで秘密の花園のようなビクトリア朝のガーデンは高い塀でかこまれており、大西洋の潮風と険しい山々の吹きおろしから花と野菜を守っています。カイルモア修道院とカイルモア城は愛情と深い悲しみの歴史を持っていますが、今は長い時を経て優しく静かに佇んでいます。
この記事では、コネマラ山地のカイルモア修道院とお城、そしてビクトリア朝のガーデンをご紹介します。
目次
ビクトリア朝のフラワーガーデン
豪華なお城の内部と編みかけのクロシェ
ビクトリア朝のフラワーガーデン

まずご紹介するのは、カイルモアのお城から敷地内をバスで5分ほど行ったところにある広大なビクトリア朝のフラワーガーデンです。時間がある場合は、先にお城と修道院をまわってからゆっくりとガーデンをまわることをおすすめします。バスはシーズン中は2本運行しており、5分~10分の待ち時間で乗れます。

バスの停留所から徒歩5分ほどの場所にフラワーガーデンの入口があります。アイルランドでは良く見かけるお花から珍しい品種までさまざまなお花が色とりどりに咲き乱れる様子はまるで秘密の花園のよう。険しい山々と高い塀に囲まれているせいか、人が少ないときはとても静かな気分で過ごせます。ベンチもあるので休憩するのにもおすすめですよ。
バス停のすぐ目の前にはカフェもあるので、こちらで休憩することも可能です。
ガーデンやお城の様子は私のYouTubeチャンネル「アイルランド田舎暮らし」でも紹介していますので、動画で見たい方はぜひチェックして見てください。
豪華なお城の内部と編みかけのクロシェ

とても運が良いことに私がこのお城を訪れたときは閉館40分前で誰もいませんでした。窓はすべて解放され、優しいそよ風と太陽の光が城内の至る所に入ってきます。まるで何世紀も時が止まっているかのような静けさでした。
カイルモア城は別名コネマラ城とも呼ばれています。建てられた当時から新聞の記事で紹介されたりと、コネマラの人たちの注目の的であったことが分かります。
カイルモア城は、1868年に医師ミッチェル・ヘンリーによって建てられました。ミッチェルはロンドンのアイルランド系の裕福な家庭に生まれました。事業で成功したミッチェルの父が亡くなると莫大な遺産を相続しイギリスでも指折りのお金持ちになります。

その後、カイルモア城は最愛の妻であったマーガレットに影響されて建てられました。イタリアの職人も建設に携わったそうです。当初はお城というよりは家族で住むための豪華な邸宅として建てられましたが、後にゴールウェイの国会議員になったミッチェルは、このお城の建設によって貧困や病気に苦しむコネマラの人々に雇用と経済成長をもたらしました。
後にミッチェルからイギリス貴族に譲渡され、オーナーも変わり何度か改装されて今に至ります。現在も、訪れる人が当時の生活を感じられるよう工夫されて個人の所有物が展示されてあります。

エントランスルームからダイニングにいたるまで豪華絢爛で目を見張るような高級品ばかりですが、私が一番おすすめしたいのは居間です。20畳ぐらいの部屋にソファーやピアノ、ゆりかごや赤ちゃん用の編みかけのクロシェなどが置かれており、当時ここで過ごしたヘンリー一家の幸せなひと時を感じることができるはずです。