今年に入り、大阪の淀川や東京湾にクジラの出没が相次ぎ世間を賑わせている。そんな中、奄美大島や沖縄の近海では、クジラを間近で観察ができるホエールウォッチングのシーズンが到来。クジラに出会った誰もが、目を輝かせながら「感動した」「すごかった」とうまく言葉で言い表せないその興奮を全身で伝えてくる。何がそんなに人を感動させるのか。奄美大島の現地ガイドに、その魅力を伺った。
今シーズンのホエールウォッチングの状況を聞く
各国でホエールウォッチングを体験することはできるが、時期や場所によって出会えるクジラのライフステージは異なる。奄美や沖縄周辺の海にやってくるのは、子育てや繁殖の時期を迎えたザトウクジラたち。そこで、奄美ならではのホエールウォッチングの楽しみ方から、今シーズンで一番印象に残ったクジラとの出会いなど、提供いただいた実際の映像とともにフレッシュな情報をお届けしたい。
今回お話をお伺いしたのは、奄美大島南部の近海でホエールウォッチングを開催しているダイビングショップ「アクアダイブコホロ」の太田健二郎おおたけんじろう氏(以下、太田氏)と、「ゼログラヴィティ」の栗原亮太くりはらりょうた氏(以下、栗原氏)。
編集部
今シーズンはいつ頃からクジラに遭遇し始めましたか?
太田氏
今シーズンで最初に出会ったのは、昨年の12月27日でした。前日にクジラの目撃情報があった場所の近くでダイビングをしていたので、もしかしたら出会えるかもと思っていました。そしたら、ダイビング終了後に近くでクジラを見たとの情報が入り、親子クジラに出会うことができました。
栗原氏
うちも去年12月27日でした。アクアダイブコホロさんからホノホシ沖にクジラがいたとの情報をうけ、午後に出港したところ、すぐ遭遇することができました。もっと南の方でも1頭ブロー※1していました。
※1ブロー=クジラが息継ぎ時に見せる潮吹き
編集部
同じ日だったのですね!平年と比べて今年の遭遇率はどれくらいでしょうか?
栗原氏
毎年9割ぐらいだとしたら、今のところは8.3割くらいでしょうか。去年は、1月中旬?3月初旬の間は、船を出すとほぼほぼの確率で出会えていた感じです。
太田氏
今年は1月30日時点で、26日出航して23回出会うことができています。去年に比べて少し少ないけど、親子クジラが多い印象があるかも。
編集部
それは同じ親子クジラなのでしょうか?
太田氏
尾鰭で見分けているんですが、今のところ全部違うクジラに出会っています。
編集部
なるほど!尾鰭で見分けることができるなんて知らなかったです。
太田氏
他にも、顔まわりのフジツボのつき方にも特徴があったりします。あと、ジャンプなど大胆なアクションをしてくれたり、ずっとおもしろい動きをしていたり、ツンデレなタイプなど、いろんなクジラがいて楽しいですよ。
歌うクジラの映像