魚にはリリースの協力要請の他に、より強制力のある「禁漁規定」がある。禁「漁」というからには、漁業関係者だけのルールではないのかと思うのだが、きちんと釣り場に明文化してあるケースもあり、知りながらこの禁を犯すと法律違反になることもあるので注意しよう。今回は身近な「禁漁規定」について例を挙げて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
身近な禁漁規定
禁漁規定は、各自治体のHPを見ればまず間違いないアナウンスが得られるが、知らなければ知らないで通りそうなくらいアバウトな情報もある。
たとえば、ワカメなどが対象となりうることをご存じだろうか?大阪湾では、泉南エリアではこの禁漁規定がきっちり釣り場に明文化されている漁港がある。ただ、波止など漁港ではない場所で釣りをしようと思うと、知らなければスルーしてしまいがち。まあ、知っていなくてもわざわざ採取するものではないと思うのだが、ワカメって。でも天然モノっておいしそうな感じも……?
釣り場の環境維持、そして漁業者の財産である海産物を守るためにも、釣り人は一線引かなければならない魚種がある。きちんと知って、トラブルを起こさないようにしたい。
タコもダメ?
ここで例として挙げるのが、阪南エリアの禁漁規定である。「谷川漁港」という泉南の釣り場には、このような看板の掲示がある。
貝類はまあ、ちょっと釣り人には関係ないような話かもしれないが、タコなんてものはエギングで釣れてしまうことがある。この書き方では、狙いで釣ろうものなら、まったくのアウトということだ。密漁の罪科で、100万円以下の罰金。つまり、タコジグを足元にドボンはダメなのだ。
実は、タコが禁漁となっているエリアは大阪湾では多い。有名なところでは、垂水~明石までのエリアにかけての禁漁だ。このエリアは第一種漁業権が設定されており、明石のような独自ルールもないのでタコを釣ると密猟となり摘発される可能性がある。私も、釣り人が漁業関係者に注意されている姿を見たことはある。
こうして禁漁規定があるからこそ、ちょっと離れた大阪南港などで、水質がちょっとアレなのはいいとして、夏になるとアングラーが新子を釣りに来ているのをよく見るわけだ。
カキやサザエを捕ることも禁止
ちなみに、これも大阪南港名物なのだが、チニングアングラーと思しき人たちが、岸壁を熊手のようなものをひっかいているのを見ることがある。これは、どうやらエサにするイガイを現地採取しているらしいのだ。調べてみると、どうやらイガイについては禁漁規定がないらしい。ただ、これも有名な話で、大阪南港のイガイをもし人間の腹に入れようものなら、大変なことになるらしいので注意してほしい。
貝類でいえば、上に挙げたように、カキやサザエなどは、漁業権が設定されている海では多くの場合遊漁者には禁漁規定がある。ちなみにカキの旬は冬なので、どうしても食べたい人は、私のようにスーパーなんかで買ってください。
ちなみにカキの生食用と加熱用の違いは、鮮度での区別ではなく、獲れた場所によるそうな。保健所が指定した場所で獲れたカキは生食用、それ以外は加熱用となるとのことだ。