2024年1月よりNISA制度が大幅に拡充される見込みとなり、今後さらに貯蓄から投資への流れが促されそうだ。加えて、昨年から海外のインフレ、円安のあおりを受けコストプッシュ型といわれるインフレに直面している。インフレ対策も念頭に、老後の資金準備は今後どうすればいいのかを考えてみたい。

【NISA、iDeCo、個人年金保険】老後資金の準備は何が正解?
(画像=『BCN+R』より 引用)

 老後の資金準備といえば、一般的にはiDeCo、NISA、個人年金保険などがあるが、優先順位はどのように考えたら良いのか。まずは新NISA、iDeCo、個人年金保険の押さえておきたいポイントについて触れておきたい。

NISAとは?

 毎年決まっている非課税投資枠に対して、利益や配当金が非課税になる制度だ。少額で積立投資をする「つみたてNISA」と、株式・投資信託などを年間120万円まで購入できる「一般NISA」がある。

 現在のつみたてNISAは、投資枠が年間40万円(月々3万3333円)、投資可能期間が20年間だが、24年から新NISAがスタートすると、投資可能金額が3倍の年間120万円(1カ月当たり10万円)、投資期間が無期限となる。一般NISAの投資枠は年間240万円となり、さらにつみたてNISAとの併用が可能となるため、投資上限額は合計年360万円と大幅に引き上がる(1人当たり生涯1800万円の非課税限度額が設定される予定)。

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?

 公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金(3階部分)の一つで、原則として20歳以上60歳未満であれば加入が可能な制度である(一部条件あり)。掛金(月額5000円から拠出限度額内を自分で決められる)を積み立て、60歳以降に積立金を取り崩して給付を受ける。受け取る額は運用成績によって変動する。

 iDeCoの主なメリットは掛金の拠出時、運用時、受取時と三つの段階で税制優遇が受けられること。運用時は、金融商品の運用益に課税される税金が非課税になる。一方で、原則60歳までは積立金を引き出すことができないため、注意が必要だ。

個人年金保険とは?

 定額型の個人年金保険は、自身で準備する保険で、保険契約者は毎月保険料を一定年齢まで払い込み、受取開始時期になると一定期間または終身にわたって年金として、または一括で受け取ることができる。定額型の個人年金保険は、将来受け取れる金額が確定しており、老後の生活設計が行いやすい。また支払った保険料は、生命保険料控除として、年末調整または確定申告時に控除の対象となる(所定の条件あり)。ただし、インフレ対策には弱く、早期に解約をすると元本割れする可能性がある。

 なお、個人年金保険の中には円建て・外貨建て、変額など、運用方法や受取期間によってさまざまなタイプがあるが、変額型は運用商品となるため、まずはNISAやiDeCoでの投資をおすすめしたい。

資産形成を考える際の優先順位

 今後、老後資金の準備の大本命は、非課税枠が大幅に拡充された新NISAになるだろう。投資額は大幅に引き上がり、投資期間は無期限となり、出口対策・利益確定時期のコントロールはかなりやり易くなるはずだからだ。投資期間が長いと、断然複利のパワーも享受できる。

では、資産形成を考える際、おすすめの優先順位は以下の通り。

(1)NISA枠を最大限に活用する

 NISA枠をどのように活用していくか考えるためには、まずは長期分散投資の仕組み、リスクを正しく理解しよう。長期積立分散投資をはじめるとマーケットの状況により一時的に減ったり、増えたりしながら、さらに「○○ショック」と呼ばれるような経済危機や円高、円安のいろいろな局面をめぐることになるが、そういったことに耐えられるかどうか、ライフプランと照らし合わせて、投資に回せるお金はいくらが妥当なのかを考える必要がある。同時に公的年金でいくら将来受け取れる見込みなのか、確認することも勧めたい。

(2)60歳まで引き出せなくてもOKならiDeCoもあり

 可能であれば、NISAと一緒にiDeCoも活用したい。iDeCoは掛金も所得控除になるので個人年金保険より節税効果は大きい。ただしiDeCoは60歳まで引き出せないことを十分に考慮し、NISA枠とのバランスを考えよう。

(3)リスクを取りたくないなら個人年金保険

 「増えなくても良いので受け取る時期がきたら確実に受け取りたい」という方には、資産形成のポートフォリオを考える際、キャッシュの部分を多めに保有しておき、貯金のようなイメージで(定額型)個人年金保険の活用も検討してみよう。

貯蓄から投資の流れは必至。自分に合う資産形成方法を考えよう

 貯蓄から投資への流れが加速していく中で、時流に乗った制度の活用、自身のライフプラン、価値観にあった方法で資産形成をしていくことが大切だ。各制度、商品の特徴を理解して、自身の資産形成にとって、何が有効で何が不要なのか、ぜひ新NISAが始まる前、今年のうちに向き合ってもらいたい。

 投資にはそれぞれリスクがある。資産の状況、投資可能な期間などによりリスク許容度や適切な資産形成の方法も異なる。最終的な投資決定はご自身の判断で行っていただきたい。(400F・金谷理恵)

■Profile
金谷理恵
損害保険会社、生命保険会社、証券も扱う生損保乗合代理店を経て、現在はオンライン相談サービス「お金の健康診断」を運営する400F専属のアドバイザーとして活動。趣味はワインとピアノ。アマチュアピアノサークルに所属しており、年に複数回ホールで演奏することも。

提供元・BCN+R

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