インターネット黎明期である2004年、突如2ちゃんねるを始めとするインターネット上で大いに話題となった伝説のサイト、「愛の妖精ぷりんてぃん」をご存知でしょうか。

 はじめは電波系サイトとして注目を集めたのですが、後にGoogle検索を使って行う肝試しの一種「検索してはいけない言葉」(※1)のリストにサイト名が含まれるようになり、現在にいたるまで長年注目され続けることとなりました。

 最初のブームから20年近くたった現在、「ぷりんてぃん」の初代運営者(案内役)である未女子日女(みめこひめ)さんは今何をしているのか。時間がたった今だからこそ語れる当時のこと、そして現在について、初代・未女子日女さんに独占インタビューを行いました。

◼ そもそも「愛の妖精ぷりんてぃん」って何だったんだろう……

 「愛の妖精ぷりんてぃん」とは、2004年に突如2ちゃんねるをはじめとするサイトで話題となった一風変わったサイトです。当時はまだ現在のようなSNSやブログなどは主流ではなく、個人ホームページ全盛期の時代。国産SNSの「mixi」が始まったのがちょうどこの年でした。

 いわゆる「インターネット黎明期」と言える時期で、現在よりも「不思議」なサイトは数多くあったのですが、その中にありながらも群を抜いて「異彩」を放っていました。

 サイト全体のデザインは、ピンクや黄色などの原色をベースに、これまた奇妙なキャラクターが多数登場。色と謎キャラクター、そして未女子日女さんの実写写真が並べたれられた、まさに「カオス」とよべるほど訳が分からない存在だったのです。

伝説の電波系サイト「愛の妖精ぷりんてぃん」初代運営者にインタビュー 立ち上げ理由から「検索してはいけない言葉」まで聞いてみた
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 また、アクセスすると突如、軽やかなオルゴールBGMが流れ、謎の女性の声で「ようこそ、エンジェルの皆さん」と、強制的に我々も「エンジェル」にさせられ、不思議な世界へといざなう点も特徴の一つ。

 そう、その声の主こそ「愛の妖精ぷりんてぃん」の運営者「未女子日女」さん。爆発的に人気となった「愛の妖精ぷりんてぃん」は、当初個人サイトとしては異例の年間100万アクセスを記録。

 加えて同時期頃に流行りだした、インターネット上の遊び「検索してはいけない言葉」(※1)の一つとして扱われるようになってからは、「絶対に検索してはいけない」サイトとしてこれまた知られるように。同じく、当初話題だった「愛生会病院」のサイト(※2)とともに注目されました。

 その結果、運営者「未女子日女」は今で言う「インフルエンサー」となっていったのです。

 あれから20年、現在はどうしているのか。恐る恐るサイトを覗いてみるとなんと生存確認!しかし、当時の音声を聞くこともできず、サイトのレイアウトも若干おとなしめに。そして、なんと衝撃的なのが2代目未女子日女さんなる人物に運営が変わっていました。

(※1)「検索してはいけない言葉」とは……Google検索を使って行う検索遊び。肝試しの一種で、「検索してはいけない言葉」としてネット上に誰かがリストアップしている言葉を検索し、結果を見る遊びです。なお、やる場合は自己責任で。
(参考記事:ネットの肝試し「検索してはいけない言葉」「ググってはいけない言葉」とは)

(※2)「愛生会病院」のサイトとは……「愛の妖精ぷりんてぃん」と同時期に注目された、病院サイトらしからぬド派手かつカオスデザインなサイト。黒色をベースに原色文字が各所にあしらわれ「見ると目がチカチカするサイト」「ある意味天然記念物サイト」として長年インターネットユーザーから愛されていたものの、2013年頃にリニューアル。現在は「病院らしい普通のサイトデザイン」に落ち着いている。

◼ 現在は2代目未女子日女が管理をしている

 サイトの記述によると、現在の「愛の妖精ぷりんてぃん」は、二代目の未女子日女(17歳)が案内役とのこと。サイトの方向性としては、話題のユーチューバーを毎日紹介するスマホ向けメディア「たかまがはらネットランド」として生まれかわっています。

 サイトのデザイン性はあいかわらずぶっ飛んでいるのですが、サイト内の説明によると「Webデザインの新たな可能性を模索して制作されています」とのことで何らかの狙いがあるようです。