昨年爆発的な成長を遂げ全日本学生(メンズ)フィジーク選手権2連覇、世界選手権ではグラチャン王者の伊吹主税選手よりも上に立つなど、現在21歳の川中健介選手が飛躍した秘密に迫った。
川中選手は昨年、世界選手権で初出場ながら4位という好成績を残した。また、この結果は昨年の日本最高峰のメンズフィジーク大決戦である『ジャパングランドチャンピオンシップス』の王者で、世界選手権で同階級に出場した伊吹主税選手を超えるものだった。
しかし川中選手自身は。世界選手権には出場前から優勝することを目標にやってきたこともあり悔しい思いがあり、上位3位以内に入れる自信があったという。それでも4位という順位は率直に嬉しかったと話す。
「(世界選手権では)やはり筋肉量が重要かと思い臨みましたが、案外そうではなく可能性を感じました。なので世界との壁のようなものは感じなかったです」
そんな世界選手権を初経験した川中選手。実は一昨年から大きく筋肉量を増やせたという。その取り組み方について聞くと、新たな環境と出会いが身体をブラッシュアップさせるキッカケとなったと話す。
「自分が一番大事にしているのが、トレーニング中の使用重量を増やすことで、これを常に意識して行っていました。それによりパワーは伸びていますし、同時に体重も増えました。少し前に熊本に住んでいたのですが、一昨年にこっち(神奈川県)に来て、東海大学の有賀誠司先生のもとでトレーニングができるようになったんです。それからは1人でトレーニングをしなくなり、週3回くらいでフォーストレップ法を用いたトレーニングを行うようになりました。それが自分の中で伸びた実感があります」
川中選手は以前からベンチプレスの強さがSNSで話題になり注目している選手も多い。それに加え、以前までのトレーニングとは違うアプローチを大学生となって見出せたわけなのだ。
「それまでずっと1人でトレーニングをしていたので、先生やボディビル部の部員と一緒にやっていくことで、新たな成長を実感できています」
また、身体を変化させた要因には、食事にも大きな要因があったという。
「タンパク質をかなり少なくしました。また、炭水化物をお米のみにして多く取るようにしています。タンパク源では、大豆製品の摂取量を多くしています。食事に関しては昨年はそのような形で続けていきました。大豆製品は炭水化物であるお米との相性が良いらしいんです。なので大豆製品もしっかり取っています」
「ですが、プロテインはホエイですし、固形物では肉も食べます。基本食事に大豆製品も取り入れる感じですね。その内容は納豆、豆腐、みそ汁などオーソドックスなものです」
ボディビルダーというと、多くの選手やトレーニーは赤身の肉、魚などからタンパク質を摂取することが多く、大豆製品や植物製品からタンパク質を摂取している選手は少ない。しかし、川中選手は大豆製品を取ったことで今までとは違う変化を感じたという。
「サイズが大きくなった点が一番良かったです。あとは、減量期間中に筋肉量が落ちなかったことですかね。昨年8月のオールジャパンジュニア選手権のときは80㎏ジャストくらいで仕上がりました」
なんと川中選手は、身長172㎝ながら80㎏という、日本のトップボディビル選手なみの仕上がり体重を手にした。その身体には至る所に筋肉が詰め込まれハードな質感を演出している。
川中選手は今年、国内大会ではオールジャパンジュニア選手権、オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス、グランドチャンピオンシップス。そして世界選手権と4つの大きなタイトルを獲ることを目標としている。さらなる飛躍に興奮が止まらない。
取材:FITNESS LOVE編集部