タックルとエサ

岸和田渡船からは、カレイの投げ釣りは、一人あたり竿3本までの制限と、オモリは30号以上を使用するよう告知されている。私のタックルは投げ釣り用の竿にスピニングリール、ミチイト5号、チカライト5~12号、スパイクテンビン30号の組み合わせで、幹糸4号にハリス2.5号、カレイ専用バリ10号の自作の2本バリ仕掛けを用意した。

エサは食いが立っている時は青イソメだけでも釣れるが、私は少しでも釣れる可能性を高めようと、マムシ、青コガネ、青イソメを併用した。エサは海水バケツに入れて生かしておき、必要な分だけ取り分ける。ハリへのエサ付けは、上バリに青コガネ、下バリにはマムシと青イソメの両方を付けて、匂いと動きの両建てでカレイにアピールする「青マムシ」のスタイルで臨む。エサ代が高くつきコストパフォーマンスの面では全く話にならないが、結果的にこの青マムシが後に実を結ぶことになった。

冬の投げ釣りで30cmマコガレイ獲った【大阪・岸和田沖一文字】 漫然と置き竿はダメ?青マムシと青コガネのエサ付け(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)

漫然とした置き竿ではダメ

1投目は6時40分過ぎ。まずは60m先、30m先、波止際10m先ぐらいに遠近を投げ分け、うち2本を中心に海底の感触を確かめながら、少しずつ手前に寄せていく。これがカレイに対してはサソイになるようだ。漫然とした置き竿ではダメだ。

それを証明したのが2つ隣の釣り座の夫婦。旦那さんが「きたっ」と一声あげて、そろりと良型カレイを波止上に抜き上げた。旦那さんは奥さんにも釣らせてあげようとアドバイスしながら、自らも時折仕掛けを手前に引き寄せている。釣果をあげる釣り人は、やはり釣り方を知っている。私も自信を深めて、海底の砂地の感触を意識して仕掛けを引き寄せる釣り方を続けた。

冬の投げ釣りで30cmマコガレイ獲った【大阪・岸和田沖一文字】 漫然と置き竿はダメ?波止に立てかけたカレイ狙いの竿(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)

待望のカレイ30cm登場

先の夫婦の釣果は私にも希望を与えてくれた。時合いは短いので、エサの付けかえの手間を惜しまず、3本の竿の投げ分けと仕掛けの引き寄せを繰り返す。うち1本の竿の仕掛けを引き寄せてくる過程で、40mほど沖の海底の起伏を捉えた。ここはカレイが潜んでいるのではないかと期待を込めて、しばらく留め置いたが、この勘は見事に的中した。

7時20分ごろ、その竿を手に取って引き寄せると、感触が明らかに重い。何かが掛かっている!カレイであってくれ!と、心拍数は激増の思いながらも、同じスピードで慎重に巻き上げる。手前10m付近からは、波止の基礎石に根掛かりさせないように上層に引き揚げ、そろりと抜き上げると、待望のカレイが波止上に姿を見せた。下バリの青マムシに食いついていて、エサ付けでも狙いは的中したようだ。

周りからは「おおっ!」と声があがり、視線は私に集中。一人ガッツポーズしながら検寸すると30cm。数字以上に大きく見えるのは釣り人心理。口元は緩みっぱなしでお宝カレイをスカリに入れた。最初は不安を抱いて構えた釣り座ではあったが、意外にも幸運の釣り座だったようだ。

冬の投げ釣りで30cmマコガレイ獲った【大阪・岸和田沖一文字】 漫然と置き竿はダメ?キャッチした30cmカレイ(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)