【木村ヒデノリのTech Magic #153】 これまでもいろいろと横着に運動するという試みをしてきたが、これはかなり実用的かもしれない。スピンバイクは大きいから場所を取るしそもそも漕ぐだけでそこまで運動になるのかと疑問だったが、実際はかなり続けやすく運動負荷もかかった。ズボラにも最適な運動ツールとして紹介したい。
運動で重要なのは効果より継続性
昨年のこの時期もお正月太り解消ということで、自宅でできるトレーニングレビューを行った。EMSスーツを着て自宅でトレーニングするスタイルは出不精の筆者にとっては使い勝手がよかったが、いかんせんスーツを着てトレーニングに入るまでに時間がかかる。これが運動しなくなってしまう原因になることは多いだろう。
そもそもそんなに横着なやつがトレーニングを続けられるはずがないとお叱りを受けそうだが、しんどいトレーニングを続けるには他を極力楽にする必要がある。その点このスピンバイクという選択肢は良かった。
MERACH(メリック)の「S13」は同ブランド内で初めて自動負荷調整機能を搭載、そして価格も5万4800円(2023年3月17日まではMakuakeで3万9900円=makuake.com/project/merach/)とそれほど高くない。
スピンバイクは大きくて邪魔になるというイメージだったが、S13は横幅が50cmよりも短いので、意外と場所をとらない。これなら自室にスペースも作れそうだし、広めのリビングなら置いたまま動かさない運用でも大丈夫そうだ。
置いたままにできるというのは毎日続ける上で非常に効果的。最初に書いた心理的障壁がかなり取り除かれるだろう。もちろん大きくないといえば嘘になるが、他のスピンバイクに比べればすごくコンパクト。運動で大事なのは継続性なので、このいつでも座って漕ぎ始められるというのには好感を持った。
とにかく静かで集合住宅でも使える、負荷も強い
もう一つよいと思ったのは静音性だ。スピンバイクは漕ぐ際に負荷をかけるともっと音がするイメージだったがS13はほぼ無音。負荷を最大の24に上げても音がしないので集合住宅でも問題なく使える。
静音性の理由は磁力。強力な磁石で負荷を生み出しているので、摩擦による負荷の製品と違って使用時間の制限がない。その分寿命も伸びて、漕ぎ心地もずっと滑らかと一石二鳥だ。
冒頭に書いたように、スピンバイクで思った通りの運動量が得られるのかという疑問があったがそれも杞憂だった。8くらいまでは楽に漕げるが、10を超えたあたりで漕ぎ続けるのがかなりしんどい。20ともなればほぼ足の筋トレで、無酸素運動といっていいだろう。
男性でもしっかりと負荷をかけられる余裕があるので、自宅でできるトレーニング手段としてはかなり優秀だと感じた。
YouTubeを見る時間もトレーニングに充てる
自宅で仕事をしていると漫画やYouTubeで休憩したくなる時もあるだろう。こういうタイミングをトレーニングに充てられるようになれば時間を有効活用できる。
S13は自社アプリでトレーニングを各種揃えるほか、Zwiftにも対応。サイクリングで気分転換したい人はそれでも良いが、休憩中くらい漫画や動画を楽しみたい人もいるはずだ。そんな時スピンバイクなら、漕ぎながら目の前のタブレットに漫画を表示して30分間運動しながら休憩できる。
少しだけ動画を見ようと休憩を始めたものの、いつの間にか1時間以上経ってしまい罪悪感を持つ、ということもS13を使えばなくなる。「動画を見続ける=運動を続ける」という習慣にすれば運動するか、仕事に戻るか、みたいにサボる要素がなくなるので精神的にも気持ちよく1日を進められるだろう。
自動負荷調整機能と省スペースであと少し改善を
せっかく自動負荷調整機能があるのにZwiftで使えないのは惜しい。バーチャル空間上でサイクリングができるZwiftの良さは上り坂に差し掛かると負荷が増えるなどバーチャルと現実の同期があることで100%発揮される。現段階では一定の負荷でしか走れないが、ソフトウェアの改善で対応できそうなのでここはぜひ改善してほしい。
また、十分に省スペースなS13だが、ハンドル位置が高いので横を通る際など少し邪魔になる。下に回転させて折り曲げられるなど、使わない時に張り出し部分が少なくなるような機構があれば一層リビングに置いたままにしやすいだろう。
ただ、気になったのは上記2点くらいで他は満足している。アプリとの接続もとても早く、安定しているのでタブレットを介しても非常に使い勝手が良いし、面倒なら単独でも使える。ジムに行くのが億劫になっている読者は1年分のジム代だと思ってこちらに切り替えても良いのではないだろうか。個人的には今までの室内運動の中で一番続けやすいと感じた。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Tech Director、スマートホームブランドbentoを展開。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
提供元・BCN+R
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