ところが証券や銀行では、不動産、アート、ワイン、ウイスキーといった実物資産を取り扱うことができません。

これらをワンストップで提供し、比較検討できるような専門家集団が必要です。

大手証券やメガバンクでは、グループの不動産会社などを使って不動産サービスを拡充しているようです。ネット証券も有力な不動産会社との協業を進め、他の実物資産や相続などに関しても情報提供できる体制を築くべきです。

さらに、富裕層が特に価値を認めるのは、非日常体験や人脈など、お金を出しても手に入らないような「非金銭的サービス」です。

例えば、通常手に入らない宝飾品やワイン・ウイスキーが手に入る。一般予約できないような特別な場所に入ることができる。普段会えないような人に会える・・・。

特別な待遇を受けることに、お金に換算できない高い価値を感じるのです。

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このような富裕層の特性を理解した上で、アプローチ戦略を立てていかなければ、囲い込みをすることはできません。

豪華な応接室を作って、高い金融知識を持った担当者が丁寧に対応する。そんな、大手金融機関がやっているような、ありきたりのサービスではなく、ネット証券ならではのエッジの効いたサービスを期待します。

編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年1月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。