売場面積は半分でも旧店並みの売上をめざす!

7千万円の腕時計も! 銀座に移転オープンの「コメ兵」、売場半減でも売上維持できる仕掛けとは
(画像=買取コーナー、『DCSオンライン』より引用)

ちなみに2Fには、買取フロアもある。買取フロアと販売フロアの間はドアなどで仕切られておらず、閉塞感をなくしたオープンな空間になっている。また、タブレットを利用した「セルフ受付」を全店で初めて導入。「買い取りに対する心理的なハードルを低くする」(諏訪氏)というのがねらいだ。

また、買取フロアには、各ブースにサイネージを配置している。諏訪氏は「買取に際してお客さまが不安感を抱くケースは多い。その不安を取り除くため、安心を訴求する目的でサイネージの動画を通じて自社の取り組みを紹介している」と説明する。

ほかにも、店内には同社初 の試みとなるタッチパネル式デジタルサイネージを各所に設置している。デジタルサイネージではKOMEHYO GINZA内のアイテムだけではなく、他店およびオンラインストアの在庫(合計約7万2000~7万3000SKU)を検索することも可能だ。1階に配置した大型サイネージでは、「コメ兵オンライン」の会員バーコードを読み込ませると、購入履歴からおすすめ商品をレコメンドするという機能も備えている。

7千万円の腕時計も! 銀座に移転オープンの「コメ兵」、売場半減でも売上維持できる仕掛けとは
(画像=タッチパネル式デジタルサイネージ、『DCSオンライン』より引用)

小型の新店出店を今後も検討

こうしたリアルとデジタルを融合させる取り組みによって、KOMEHYO GINZAでは、旧店とほぼ同規模となる年商30億円の達成をめざす。KOMEHYO GINZAの売場面積は旧店の約半分の規模であり、売場を縮小させながらも旧店並みの売上を維持するという意欲的な目標だ。

さらに石原氏は「売場を小さくすれば出店しやすくなる」と述べる。コメ兵は今後、KOMEHYO GINZAと同様のフォーマットの新店の出店を検討していく方針だ。「巣ごもり需要によって、ショッピングモールや百貨店への出店もしやすくなってきた。買物を楽しもうというお客さまが来店しやすいエリアに店舗を広げていきたい」(石原氏)

7千万円の腕時計も! 銀座に移転オープンの「コメ兵」、売場半減でも売上維持できる仕掛けとは
(画像=コメ兵ホールディングス代表取締役社長の石原卓児氏、『DCSオンライン』より引用)

記事執筆者

中原 海渡 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者
神奈川県出身。新卒で不動産仲介業の営業職に就き、その後ライター/編集職に転身。

2022年10月に株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。ダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集部記者として記事執筆・編集を行う。

趣味は音楽鑑賞(ポップス/ロック)と、最近はレコード&カセット収集。フィジカルメディアが好きで、本も電子書籍より実物派。

提供元・DCSオンライン

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