スウェーデンは毎年1月から3月ごろの死者が多いのですが、2019年と、2020年の新型コロナ直前の1月2月は暖冬の影響で亡くなる方が少なかったのです。2020年の新型コロナ死者の多さはその影響もあったと推定している論文も発表されています。
執筆者はスウェーデン人の研究者だけでは無くノルウェー人の研究者も含まれています。ノルウェーの研究者も含めた結論は、スウェーデンのようなマイルドな対策でよかったのでは、ということです。
1980年からの視点: ヒトは冬に多く亡くなるというのがよく分かる 1989年から1990年代にも新型コロナ並みの死者 統計局はコロナ被害はその頃のインフルエンザと比較して同程度と発表更に1980年からの死者推移を見てみます。冬に人が多く亡くなるというのがよく分ります。データは国連からと2000年以降はヨーロッパを中心とした死者推移データベースから取得しています(ところどころ抜けているのはデータに抜けがあるためです)。
1989年から1990年代にも新型コロナ並みの死者が出ていることが分ります。実際、スウェーデンの統計局はその頃にインフルエンザで大量の死者が出ており、新型コロナ第一波の死者よりも全死因でみると多かったと述べています。

コロナ被害はインフルエンザと比較して同程度という発表をした国は筆者はスウェーデン以外に知りません。
1980年からの視点:スウェーデンと日本を比較 日本は新型コロナ死者が少なくても人口当り全死因死者が増加改めてスウェーデンと日本を比較します。スウェーデンの場合は、100万人あたり日ごとの死者が、1980年には30〜40人だったのが20〜30人になり、新型コロナで一時的に40人になりました。
一方で日本は日に15〜20人だった死者が高齢化の影響で今では30〜40人です。新型コロナの被害をほとんど受けなくても死者がどんどん増えている状態です(なお日本で1箇所だけ突出して高いところは、東日本大震災のあった2011年3月です)。
200年間の視点:スウェーデン 100年前のスペイン風邪には遠く及ばず 小規模パンデミックに遭ったが大規模インフォデミックは防いだスウェーデンには死亡者数や死亡率データが200年分近くあります。グラフの横軸は時間推移で、1835年からの年ごとに、人口当りの死者数を縦軸で示しています。
グラフを見れば、今回のパンデミックは100年前のスペイン風邪には遠く及ばず、1968年の香港風邪や1988年の北京風邪程度であったことが分ります。流行が収まった後、むしろ死者が減っているところもそっくりです。そのときもロックダウンしないと人が沢山死ぬと騷いだのでしょうか?
スウェーデンは、ロックダウンをしないマスクもしないという緩やかな対策で、一時的に死者は集中したものの、生活に制限は少なく、3年を通してみれば死者数は例年と変りません。2022年2月には対策の推奨がほぼ無くなり、入国の制限も4月には一切無くなりました。日本人も、PCR陰性証明もワクチンパスポートも必要とせず、入国できます。スウェーデンと日本、どちらの対策が優れていたのか、将来どうなるのか、国として先行きが厳しいのはどちらか考えてみて下さい。