「素質」見極め方3つのステップ
この4つのタイプのどれかを、比較的簡単に見極められる方法があります。ぜひ、管理職やリーダーの方は参考にしてみてください。
①「先導者・開発者」か「調和者・尊重者」の2つに大別する
「自分を主にするタイプ」か「他者を主にするタイプ」かをまずは見極めます。先導者・開発者は自分を主にする発想の方が、よりパフォーマンスを発揮し、調和者・尊重者は他者を主にする発想の方が、よりパフォーマンスを発揮します。
2つに分けるための具体的なやり方は、
前編でご紹介した、自律性を伸ばす基本コミュニケーション(指示→何を大切にしたい?→どう行動する?→アドバイス)を行います。
そして、その人の答えの傾向が、「自分を主にしているか」「相手の立場に立っているか」を見ます。前者の多い人であれば「先導者・開発者」、後者の多い人であれば「調和者・尊重者」となります。
②(自分を主にするタイプであれば)次に、先導者か開発者かを見分ける
もしその人の普段の発想や行動が、
・未来に向かうもの
・目標達成に向かうもの
・「こうなりたい!」という想いに向かうもの
上記3つの傾向が高い場合は、その人は先導者の可能性が非常に高いです。
もしその人の普段の行動が、
・自分の興味あることに熱中する
・実験とかを好む
・研究熱心
上記3つの傾向が高い場合は、その人は開発者の可能性が非常に高いです。
③(他者を主にするタイプであれば)最後に、調和者か尊重者かを見分ける
もしその人の普段の行動を観察し、
・複数人集まっている場の方が穏やかな雰囲気を出すか
・1on1で向き合っている時の方が穏やかな雰囲気を出すか
で、区別します。
前者であれば調和者、後者であれば尊重者の可能性が高いです。
個を尊重し、真の人的資本経営へ
昨今、日本の教育も自律を重視する方向に大きく変わりつつあります。
近い将来には、「個の自律」が当たり前だと考えるZ世代の次の世代たちも社会に出てくるでしょう。個を尊重せず、自律も求めない会社には、若手社員が定着しなくなる可能性があり、個の尊重は避けられない時代の流れになるでしょう。
従来の合理的・効率的が最優先の組織論では、Z世代のマネジメントには不向きと言えます。ムダ・ムラの排除は、個としてのポテンシャルを無視しているのと同義です。
しかし、Z世代のマネジメントこそが、人間という個性そのものを表も裏も、清らかさも不純なものも、ポジティブもネガティブもあるがままに存在承認し、資本に活かす「人的資本経営」の第一歩であると考えています。
黒澤伶
株式会社ITSUDATSU
代表取締役
早稲田大学人間科学部卒。デル株式会社(現:デル・テクノロジーズ株式会社)、株式会社ビズリーチ(現:ビジョナル株式会社)、コーチングファーム取締役を経て、株式会社ITSUDATSUを創業。「ITSUDATSU(非直線的な現象)を再現性の高い世の中にする」という大義の下、要人材を起点とした独自の組織活性方法で累計300以上のプロジェクトを推進。現在、複数社の取締役CHRO(非常勤)を歴任。