温泉地として知られる「ゆふいん」には2つの漢字表記があります。
1つが「湯布院」、もう1つが「由布院」です。
これはどちらも間違いではなく、どちらも正しいと言えます。

しかし、なぜこのようなことになっているのでしょうか。
ここでは、この「ゆふいん」の漢字表記について見ていきましょう。

その背景には複雑な市町村合併が関係しているようですよ!

地名としての「ゆふいん」

【温泉地】「湯布院」と「由布院」どちらの「ゆふいん」が正しいの?
(画像=『FUNDO』より引用)

大分県の温泉地として名高い「ゆふいん」は、湯布院とも由布院とも書かれます。
では、地名としての「ゆふいん」はどちらの表記なのでしょうか?

もともとは「由布院」だった

この地にある温泉は「由布院温泉」といいます。
そのため、本来は由布院が正しいともいえます。

しかし、市町村合併により一概に「由布院」だけが正しいとは言えなくなりました、

合併で生まれた「湯布院」

昭和30年、湯平村と由布院町が合併しました。
それにより生まれたのが「湯布院町」です。
湯平村の「湯」と由布院町の「布院」から湯布院町になったということですね。
こうして「湯布院」という地名が生まれました。

合併によって、湯布院という地名は生まれましたが、温泉に関しては引き続き「由布院」温泉と呼ばれました。
また、旧由布院町に存在した駅や丘については改名されることは無く、「由布院駅」や「由布岳」という名称が現在も用いられています。

「ゆふいん」の住所がややこしい!

【温泉地】「湯布院」と「由布院」どちらの「ゆふいん」が正しいの?
(画像=『FUNDO』より引用)

この「ゆふいん」、住所もこれまたややこしいです。

「由布院温泉」があるのは「由布市湯布院町」

由布院温泉があるのは、由布市湯布院町です。

由布市は、平成17年の湯布院町・庄内町・挾間町による大合併によって成立しました。
これにより、由布院温泉や由布院駅のある湯布院町は、「由布市湯布院町」という住所と改められました。

由布市の誕生により、「ゆふいん」の表記はさらにややこしくなってしまったわけです。

地名は「湯布院」、温泉は「由布院」

近年の使い分けとしては、地名は「湯布院」、温泉については「由布院」とすることが多いです。
かつて存在した、湯平町を含むエリアについては「湯布院」が用いられていますs。

しかし、前述のように由布院町時代から存在した駅については「由布院駅」の名称が引き続き用いられています。
そのため、観光地「湯布院」の玄関口「由布院駅」という事になります。