グラスヒュッテ・オリジナルを象徴する機構であるビッグデイト表示が誕生から25周年を迎えた。
 同社のビッグデイトは“パノラマデイト”の呼称をもち、1997年に初めて発表された。高級時計の分野では比較的目立たない機構だが、グラスヒュッテ・オリジナルでは5つのコレクションすべてに採用しており、技術的に高度であると同時に視覚的な魅力をもたらしている。まさにブランドを象徴する機構と言えるだろう。

【誕生から25年】グラスヒュッテ・オリジナルを象徴する「パノラマデイト」の魅力を解説!!
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

 最適な視認性と完璧な美しさを兼ね備えた表示を実現するために、同社のエンジニアとデザイナーは、日付けの数字を表示する2枚のディスクを同じ平面に同心円状に配置するという手法を採った。他社のビッグデイト表示とは異なり、2枚のディスク間の段差を隠すための中央の間仕切りがないため、2桁の日付けも一目ですぐに読み取ることができるようになっているのが特徴だ。

【誕生から25年】グラスヒュッテ・オリジナルを象徴する「パノラマデイト」の魅力を解説!!
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

 この2枚の表示ディスクは、カミソリのように薄い真鍮(しんちゅう)を用いて自社で製造されている。表面には目的の色合いを出すためのガルバニック加工、またはラッカー仕上げを施し、その後に数字をパッド印刷でプリント加工する。塗装層が時計の機能に支障をきたしてはならないため、この工程には高度な技術と絶対的な正確さが求められる。またパノラマデイトでは2枚のディスク間の理想的な隙間を、わずか0.06mmに定めている。隙間がこれよりも広くはっきり目視できるようであれば見た目の美しさが損なわれ、反対に少しでも狭ければディスク同士の摩擦や機能上の問題が生じてしまうからだ。非常に精巧なセッティングがなされているのだ。

 パノラマデイトには、デザインのほかにも大きな魅力がある。例えば同社が採用するセネタ・クロノメーターにはジャンピングデイト機構が組み込まれており、日付けが深夜12時ちょうどに切り替わる。また35のすべてのタイムゾーンを表示できるセネタ・コスモポリトでは、センターの時針と分針が旅行先の現地時間を示すだけでなく、正確な日付けも表示される機能が盛り込まれている。移動中に日をまたぐときでも、パノラマデイトは目的地に応じて適切に日付けを前後に調整できるのだ。こうした優れた機能性もグラスヒュッテ・オリジナルの大きな持ち味になっている。

【誕生から25年】グラスヒュッテ・オリジナルを象徴する「パノラマデイト」の魅力を解説!!
(画像=セネタ・コスモポリト。SS(44mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.89-02)。289万3000円、『Watch LIFE NEWS』より 引用)

 ドイツ時計の伝統を忠実に守り、パーツの95%を自社で製造するマニュファクチュールでもある同社は、現在でも魅力的な製品ラインナップを誇る。今後もその動向には注目しておきたい。

【問い合わせ先】グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座 TEL:03-6254-7266
公式サイト:glashuette-original.com

文◎堀内大輔(編集部)

提供元・Watch LIFE NEWS

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