オムニテックは、コロンビアが独自に開発した防水性・透湿性に優れた素材で、登山の必需品レインウェアなどで機能を発揮するアイテムです。オムニテックの特徴と性能、コロンビア社の歴史とコンセプト、おすすめのレインウェアモデルやゴアテックスとの違いなどを紹介します。

目次
オムニテックとは?
コロンビアブランドとは?

オムニテックとは?

オムニテックはコロンビア独自の防水透湿素材

オムニテックって何?コロンビア独自の防水透湿素材!性能とおすすめモデルをご紹介!
(画像=出典:unsplash.com,『暮らし〜の』より 引用)

オムニテックは、コロンビア社が独自に開発した防風・防水性と透湿性を備えた素材です。登山やハイキングで突然の雨や強風対策として欠かせないレインウェアなどに使われます。

レインウェアの代表的な防風透湿性素材はゴアテックスですが、最近注目を集めているのがコロンビアのオニムテックです。オムニテックは、性能に加えデザインのファッション性が高いので、メンズだけでなくレディースでも人気が急上昇しています。

オムニテックの性能・特徴

オムニテックって何?コロンビア独自の防水透湿素材!性能とおすすめモデルをご紹介!
(画像=『暮らし〜の』より 引用)

オムニテックは、特殊配合のメンブレン(薄膜)を採用し、水の侵入を防ぎながら湿気を放出する透湿性がある素材です。

登山用のレインウェアは通常、表地と防水透湿メンブレン+裏地の組合せと加工の仕方により、「2層」「2.5層」「3層」があり、層が厚いほど性能が上で、耐水圧に耐えられると言われています。

オムニテックのレインウェアは2層〜3層構造なので、モデルにより登山やタウンユースにも使える人気商品です。

オムニテック3層構造レインウェアの特徴

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(画像=出典:pixabay.com,『暮らし〜の』より 引用)

オムニテックのレインウェア3層構造とは、表地・メンブレン・裏地の3枚構造で、裏地は通気性の高いトリコットを採用しているので、内部の湿気をしっかり逃がします。

3枚構造なので、強風や長雨、荷物量が多いザックとの摩擦にも強い防風耐久性があり、宿泊登山やテント泊など、本格的登山をする方におすすめのオムニテック・レインウェアです。2.5層よりやや重くなりますが、安心感が違います。

オムニテック2.5層レインウェアの特徴

オムニテック・レインウェア2.5層は、3層より薄手で防風耐久性はやや劣りますが、軽いので低山登山や日帰りハイキングなどライトユーザー向きです。

表地の裏に貼り付けた防水透湿性の高いメンブレンは、特殊なグラビアプリントでわずかな凹凸を作り、汗で肌につきにくくしています。2.5層は、行動時間が短い日帰りハイキングなどにおすすめのオムニテック・レインウェアです。

オムニテックのタグにあるタイタニウム(Titanium)とは?

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(画像=出典:unsplash.com,『暮らし〜の』より 引用)

オムニテックのタグに書かれている「Titanium(タイタニウム)」とは、素材にタイタニウムが使われていることを示しています。

タイタニウムは、宇宙機器や航空機に使われる金属でびっくりしますが、タイタニウムは軽量で柔軟、熱に強く高耐食性があり、スキー、登山用具、意外にも繊維にも使用される金属です。

繊維にタイタニウムを織り込むことで、高い強度と防寒防風性能を持つ、厳しい環境用のウェアに仕上がります。

コロンビアが独自開発した4つの素材

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(画像=『暮らし〜の』より 引用)

コロンビアが開発した素材には、「WARM」「DRY」「COOR」「PROTECTED」の4つがあります。オムニテックはこの内の「DRY」のカテゴリーに属します。

オムニテックは「DRY(乾燥)」の文字が意味するように、防水透湿、吸湿速乾性能を重視して、コロンビアが開発した素材です。

「WARM」「COOR」「PROTECTED」は?

「WARM」は、体の熱を利用した保温機能を持つ素材で、厳しい天候下の体温低下を防ぎます。「COOR」は、逆に汗や水分を利用して、温度を下げる冷却機能を持つ素材です。

「PROTECTED」は、体を守る素材のことで、有害な紫外線や風、汚れなどを防ぎ、アウトドアを快適にする機能を備えた製品の総称になります。

このようにコロンビアは「アウトドアを快適にする」と言うコンセプトで、「オムニテック」を開発したブランドです。

コロンビアブランドとは?

コロンビアの歴史

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(画像=出典:pixabay.com,『暮らし〜の』より 引用)

コロンビアは、米国オレゴン州で1938年に創業したアウトドア・スポーツウェアメーカーです。今でこそ米国最大級のブランドですが、過去の歴史は前途多難の連続でした。オムニテックを開発するに至るまでのコロンビアの歴史を探ってみましょう。

発祥地オレゴン州は自然環境豊かなエリア

オレゴン州は、山や川、湖に海と自然に囲まれたエリアです。創始者のポール・ラムフロムは、家族と共に1938年にドイツからオレゴン州に移住してきました。

最初は、小さな帽子問屋を経営する会社を立ち上げ、近くを流れるコロンビア川にちなんで社名を「コロンビアハットカンパニー」にしたのが、コロンビアブランドの発祥です。

不幸が連続するボイル家の歴史

創業者の次女ガートルード・ボイル(故会長)は、10代の頃より家業を手伝い、後に結婚して社長となるニール・ボイルも、1950年より事業に参加しました。

1960年事業を拡大するためスポーツウェアを自社生産・販売し、これからビジネスが軌道に乗ろうとした矢先に、創業者のポール・ラムフロムが死亡し、追い打ちをかけるようにガートルードの最愛の夫ニールも47才の若さで急死してしまったのです。

窮地に立たされたコロンビア

オムニテックって何?コロンビア独自の防水透湿素材!性能とおすすめモデルをご紹介!
(画像=出典:pixabay.com,『暮らし〜の』より 引用)

ガートルード(創業者の次女・故会長)に残されたのは、3人の子供と多額の借金、まさに崖っぷちに立たされました。

彼女はコロンビア(会社)を売却することを決意しますが、会社の評価が驚くほど低く、借金を返済できる額には遠く及ばないのです。そこで彼女はあきらめずに、新たな決意を固めました。

コロンビアの復活劇とオムニテックの誕生

彼女が決意したのは、最愛の亡き夫が果たせなかったコロンビアの拡大路線を、引き継ぎ成功させることです。当時大学4年だった息子ティムとともに、過酷な再建の日々を歩み始めました。

「確かな製品でアウトドアを快適にする」「高性能でもリーズナブルな価格で提供する」のコンセプトをもとに開発し誕生したのが、「オムニテック」です。オムニテックは、まさに彼女たちの努力の結晶と言えます。

マザーボイルの想いが息づくオムニテック

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(画像=出典:unsplash.com ,『暮らし〜の』より 引用)

ガートルード・ボイルは、コロンビアの第二の創業者として「マザー・ボイル」と呼ばれ親しまれていましたが、惜しまれながら2019年に、享年95歳で天命を全うして逝去しました。

世界中で当たり前のように愛用されている「フィッシングベスト」や「オムニテック」を考案し、世に送り出したのは紛れもなく彼女です。彼女の想いや、アウトドアに対する愛情は、オムニテックという製品の中にいまでも息づいています。

マザーボイルが残した言葉

オムニテックって何?コロンビア独自の防水透湿素材!性能とおすすめモデルをご紹介!
(画像=出典:unsplash.com 男性が多いアウトドア業,『暮らし〜の』より 引用)

男性が多いアウトドア業界を、長年女性リーダーとして牽引した彼女は、強いビジネスウーマンのように誤解されますが、残した言葉は優しさに溢れています。

彼女は「子供が多い家庭では、高いウェアやコートを何着も買ったら大変でしょう。だからコロンビアは適正価格を大切にしています。アウトドアの世界をひとりでも多くの人に楽しんでもらいたいんです」と語った言葉の端はしに、彼女の思いやりが感じられ印象的です。