1月11日、アクセルスペースと、宇宙状況認識(SSA)サービスを開発するカナダのベンチャーNorthStar Earth & Space(以下NorthStar)がパートナーシップを締結したと発表しました。NorthStarは民間企業として初めてSSAサービスに参入しており、1月5日にシリーズCラウンドで、3500万ドル(約46億円)を調達したと発表していました。

宙畑メモ
SSAでは、レーダーで低軌道帯物体、光学望遠鏡で高軌道帯物体を観測し、解析システムで軌道計算・接近解析等を行います。これらの解析結果は人工衛星とスペースデブリの衝突回避、大型スペースデブリの大気圏再突入予測、未知物体の探索等に役立てることが可能です。

アクセルスペースは、これまでに地球観測衛星「GRUS」を5機打ち上げ、コンステレーションを運営しています。今回の提携により、アクセルスペースの5機のGRUSを活用し、NorthStarが進めるSSAのための衛星撮影データを提供することが可能になります。

地球観測衛星であるGRUSが宇宙空間を撮影できるのはなぜでしょうか。アクセルスペース代表取締役の中村友哉氏はこのように説明しています。

「AxelGlobeを構成するアクセルスペースの小型衛星GRUSは、さまざまな撮影ニーズにフレキシブルに応えられるよう、高い姿勢制御能力を備えています。このため、今回のような事前に想定されていない宇宙空間の撮影であっても、衛星搭載ソフトウェアの書き換えによって対応することができました」

また、NorthStar創業者兼CEOのスチュアート・ベイン氏は

「Axelspaceのような最先端企業と協業することで、地上と宇宙にある様々なセンサーからのデータを組み合わせて活用する我々のユニークな強みを生かすことができ、また宇宙において最も緊急性の高い環境問題を他社と国を超えて協力して解決するという我々の姿勢も強調して表すことができます」

と述べています。

また、アクセルスペースは2022年11月に、軌道上の衛星をモニタリングするサービスを提供しているオーストラリアのHEO Roboticsと提携し、HEO RoboticsがGRUSの宇宙ベースセンサーにアクセスできるようになったことを発表していました。

衛星による軌道上のモニタリングのニーズが高まっている様子がうかがえます。

提供元・宙畑

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