シルヴィア・フェンディ氏が手がけるフェンディ2023-24年秋冬メンズコレクションが、1月14日(土)午後2時(イタリア現地時間)にフェンディ ミラノオフィスで発表された。新しいメンズコレクションは、洗練された快適さと日常の豊かさ、そして意外性の中にあるエレガンスを究極の形で表現している。

フェンディらしい素材使いの象徴と、煌めきと輝きの表現

フェンディというブランドが本質的に持つ、クラシシズム(古典主義)を打破しようとする精神を発揮し、煌めきと輝きの表現が、実験的な仕立てに埋め込まれている最新コレクション。

目の錯覚を起こさせるトロンプ・ルイユを用いた服は、ダイナミックなワークマンシップによりメゾンのコードにひねりを加え、贅沢な質感と艶を新たに生み出している。

都市のデカダンスと夜に輝くライトを表現すべく、メンズウェアの無骨さとトラディショナルなシルエットの境界をぼかし、新たな魅力をプラス。アシンメトリーとボリューム感が、仕立てに幾何学的なフォームと動きを与え、熟練職人によるクラフツマンシップが幾層にも重なり、時折肌をのぞかせる。

フェンディらしい素材使いの象徴として、ダブルフェイスのカシミアやエンジニアードレザー、ジャカードシルクが、シルバー、インディゴ、バイオレットといったディスコボール調のカラーによって輝きを与えられた。

それらが、波形を描くダブグレーやオートミール、アンバー、モカ、モーブ、ラベンダー、ディープネイビー、ブラックの落ち着いた色調に明るさをもたらしている。

フェンディ マンの一要素を形作る、さりげないラグジュアリー

コレクション全体にわたって、コクーニングなアウターウェアがゆったりしたニットと脱構築的なシャツのセンシュアリティー(官能性)に対抗して、実用性と技巧の境界に疑問を投げかける。

「オーロック(O’Lock)ジッパー」を使ったブランケットコートとポンチョは、リブ編みのカシミアトラックウェアの上下を包み込み、セーターベストは一方の肩を露わにし、滑らかなトラウザーズにはドレープを描くスカートが重ねられている。

サテンのラペル、フリンジのついた裾、あるいはメタリックなアップリケ、アン・トランブランを散りばめたダブルのオーバーコートは、重ねられたシルエットに純粋さと厳密さをもたらしている。

キャメルヘアのジャージーからシェットランドウールフランネル、スプレーで着色したシアリングや「FF」フリースまで、メランジ生地がふんだんに使われ、シャドウ効果がワックス加工で光沢をあしらったレザーやオーバーダイデニムにアンティークな仕上げを施している。

フェンディの「アストゥッチョ(Astuccio)」モチーフは、幾何学的な抽象化によって「フェンディ シャドウ(FENDI Shadow)」として生まれ変わり、特大サイズのロゴがモヘアスカーフ、ブランケット、フリンジの付いた裏地やピンストライプの仕立てに織りこまれている。その効果は、さりげないラグジュアリーとして、ストリートや家あるいはダンスフロアでもフェンディ マンの一要素を形作る。