GUCCI(グッチ)が、最新コレクション「FALL WINTER 2023 MEN’S COLLECTION」をミラノで発表した。
世界のラグジュアリーファッションをけん引するブランドの一つとして知られるグッチは、1921年にフィレンツェで創設。ブランド創設100周年を経て、クリエイティビティとイノベーション、イタリアのクラフツマンシップをブランドバリューの核としながら、「ラグジュアリーを再定義する」というミッションを掲げて次の100年に向けて歩みを続けている。
対照的とされてきたアイテムを異種交配
ボリュームがありながらもゆったりとした着心地のテーラリングのシルエットは、多様なスタイリングを可能にし、懐かしさを感じさせるスーツは取り外し可能なパーツによってノースリーブ ジャケットやショートパンツへと姿を変えることができる。
構造的にも、スタイリングにおいても対照的とされてきたアイテムを異種交配することによって、自由さと無限の可能性を持つコンテンポラリーなマスキュリニティを表現するウェアも登場した。
グッチの1980年代のアーカイブからインスピレーションを得たというスポーツウェアは、ダンスウェアのコードと組み合わされ、ライダーズウェアは2000年代初頭のアーカイブへのトリビュートとなるだけでなく、クラシックなオーバーコートとのシルエットと融合している。
同じく、2000年代調のウォッシュド加工によって色あせたような雰囲気を演出したデニムパンツには、1953年にグッチがニューヨーク初のショップをオープンした際に発表されたロゴがあしらわれている。
グッチならではのカスタマイズのエフェクト
脱構築的なトラックスーツのライニングは、装飾的なディテールとして表から見えるように配され、トラディショナルなイブニング パンツは彫像のようなドレープのあるロングスカートになり脚の動きを露わにする。
カスタマイズのエフェクトは、見た目とは異なる素材でも表現。よく見ると、クラシックなジョガーパンツは軽量レザーで仕立てられ、羽毛で覆われているように見えるショートコートにはホワイト スパンコールの立体的なエンブロイダリーが全面に施されており、グッチが大切にするクラフツマンシップが存分に発揮されている。
1970年代に発表されたGGパターンをあしらったキャンバスにラッカーを施した新素材が、ルックを自由にあやつるツールとしてコレクション全体に登場。
美しい光沢感をたたえていることから「クリスタル GGキャンバス」と名付けられたこの素材は、鮮やかなカラーや色あせた印象のパステルカラーに彩られ、ワークウェア スタイルのカバーオールをはじめ、オーバーサイズのゆったりとした構造のバッグやシューズに用いられ、長い年月にわたって大切に使いこまれたようなテクスチャーと雰囲気を演出している。
また、今回の会場となったGucci Hubには、グッチのアイテムを身に纏ったセレブリティが多数来場。彼らのスタイリングにも注目したい。
メンズ・ウィメンズの境界線を悠々と越えながら、新しい男性像を創造するグッチのスタイリング。写真からでもテーラードをベースにしたクリエイティビティとイノベーションが鮮やかに伝わってくるだろう。
GUCCI
(MK)