慎重だからスモールスタートになる

ビジネスでも投資でも最重要なポイントは共通している。それは「絶対にゲームオーバーになってはいけない」ということだ。

たとえば資金100万円を投資にまわす場合に、いきなり全額100万円を投じてはいけない。金融トレードで不慣れだと操作ミスで予期せず売買間違いをしたり、FXでロスカットになればいきなり退場することになってしまうからだ。

だからまったくの初心者が投資をするなら、まずは1000円だけで、要領を得るまでひたすらトレードの練習をし、リスクリワードやプライスアクションなどの基本概念を血肉化するまでは徹底的に少額で練習するべきだと考えるのだ。だが現実的には、退職金で得たまとまったお金を全額投じて、いきなり失うという人がいる。スモールスタートの概念を知らないか、忘れているからだ。

また、ビジネスにおいてもスモールスタートは重要である。筆者は常にそうしてきた。過去に起業で軌道に乗るまで何度も何度も失敗した。筆者は要領が悪く、人より不器用なので成果を出すまで時間がかかってしまった。いきなり脱サラしていたらおそらく、貯金が溶けていく恐怖から撤退、すなわちゲームオーバーしていただろう。

だが、週末起業でやっていたので2年間ビジネスが軌道に乗るまで、会社から給料を受け取りながら焦らずじっくりできた。だから退場せずに済んだ。その後もいろんなビジネスをやってきたが、その多くは失敗してきた。未だに新規の試みはよく失敗する。しかし、まずはスモールスタートで大き過ぎるリスクを取らなかったので、軌道に乗るまでじっくりやれたと思っている。

筆者は優秀な人物ではないが、優秀な人物が大胆に見えてその実極めて慎重な人ばかりであることを理解し、取り入れたことでなんとかなった。これはあらゆる場面で活用できる概念であると信じている。

■最新刊絶賛発売中!

[黒坂 岳央]のスキマ時間・1万円で始められる リスクをとらない起業術 (大和出版)

■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

■YouTube動画で英語学習ノウハウを配信中!