衛星通信に注目が集まるなか、iPhoneに続き、Androidのスマートフォン向けの通信サービスが登場しました。
1月5日、アメリカの大手通信技術企業Qualcomm Technologies(以下Qualcomm)は、衛星通信を介してメッセージのやり取りができるAndroidのスマートフォン向けの通信サービス「Snapdragon Satellite」を発表しました。
Snapdragon Satelliteの発表と同時にQualcommは、衛星通信サービスを提供するIridium Communications(以下Iridium)との提携を発表しており、通信はIridiumの衛星が利用されます。
Snapdragon Satelliteを利用した緊急メッセージは、「Snapdragon 8 Gen」を搭載したデバイスで、2023年後半から利用できるようになります。
QualcommとIridiumは、サービスの提供先を特定のスマートフォンメーカー1社に絞らず、様々なブランド向けに提供していく考えです。将来的には、スマートフォンのほかにも、ラップトップ、タブレット、自動車、IoTなどのデバイスで利用できるようになる見込みです。
IridiumのCEOマット・デッシュ氏は
「毎日数百万人が私たち(Iridium)の通信を利用しています。Snapdragon Satelliteを介して、さらに数百万人が接続することを期待しています」
と述べています。
また、Iridiumの衛星通信と測位衛星のデータを介して、SOSや位置情報の送受信ができる専用端末「inReach Mini2」を販売するGarminのアウトドア部門担当副社長ブラッド・トレンクレ氏も、Snapdragon Satelliteのリリースを歓迎し、両社への期待を述べています。
「Garmin Response(国際緊急対応連携センター)は、毎年何千ものSOSに対応し、多くの命を救ってきました。Qualcomm社およびIridium社と協力し、人々がどこで生活していても緊急サービスに接続できるよう支援できることを期待しています」
提供元・宙畑
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