ポイント2:負けたらさようならノックアウト方式!

FAカップの醍醐味といえば、1回でも負けたら終了というノックアウトシステムが採用されているところだろう。1回勝負のため、試合当日の選手の体調や天候などがかなり重要になってくるのだ。監督はもちろん選手たちは、1度限りになるかもしれないという強いプレッシャーを背負いながら試合に挑む。

特に、普段闘い慣れていない同士の組み合わせになる時は面白い。プレーをする方はより緊張感が高まると思うが、観戦または視聴する側からすると、どんな試合になるのかと期待感は倍増する。小さな規模のクラブ同士や、プレミアクラブとEFLリーグ1クラブなど、通常あまり目にすることができない試合を堪能できるのもFAカップならではの良さだ。新たなお気に入りクラブや選手を見つけられるかもしれない!

モアカムのロゴ 写真:Getty Images

ポイント3:イングランドの地域性を知ることができる!

今2022/23シーズンのFAカップの総参加クラブ数は、なんと全体で732。そこから予備予選を勝ち進んだ124のクラブが優勝を目指して競い合う。かなりの数の試合スケジュールや結果を眺めていると、興味深いクラブバッジ(クラブのアイコン)が目に入ってくることだろう。これもまたFAカップの面白さの1つ。クラブバッジが表現する各地域の特徴を知る絶好の機会にもなるのだ。

例えば、EFLリーグ1のモアカムのバッジは「海老」だ。モアカムの本拠地では漁業が盛んなのだろうか?などと勝手にイメージを膨らませて楽しむこともできるし、実際調べてみると結構面白い。イングランドの北西にあるランカシャー州のモアカムに拠点を置く同クラブは、やはり海沿いでリバプールにもやや近い地域ということがわかる。海老のシンボルは、地域の伝統郷土料理「ポッテッド・シュリンプ(調理した小エビを小鉢に入れ、スパイスを混ぜたバターで蓋をするように覆った料理)」からインスピレーションを得たそうだ。

また、各クラブのサポーター文化も興味深いものがある。フェイスペイントの仕方や応援方法、スタジアムでの所作などの違いに注目するのも面白い。


現代には華やかで魅力的なリーグがいくつも存在するが、世界で最も古いFAカップにも他では味わえない独特な面白さがある。試合を見て楽しむのは大前提であるが、加えてクラブの本拠地なども調べてみるとより面白さが倍増するだろう。おすすめだ!