【ボディビル世界チャンピオン鈴木雅選手の回答】
トレーニング効果が変わります。両方やる場合はプレス系を先に行ったほうがいいでしょう。
ダンベルプレスとダンベルフライを比較した場合、ダンベルプレスは親指同士が向き合うオーバーグリップでダンベルを握りプレス動作を行います。
これは胸に対してストレッチがかかりづらく、どちらかといえば 押す動作のほうが力を発揮しやすいです。そのため、重量を伸ばしていくには適しています。
ダンベルフライは手のひらが向き合うパラレルグリップでダンベルを保持します。これは胸をストレッチしやすく、ダンベルを下ろしたところから途中まで上げたポジション(中間位)までの刺激が強くなります。特に胸の筋肉はストレッチをすると、筋発達に必要な筋破壊が起こりやすいと言われています。
重量を伸ばすダンベルプレス、筋破壊を狙ったダンベルフライを並行してメニューに組み込んでいいと思います。なお、プレス系種目はコンパウンド種目と言われていて、ダンベルプレスでは上腕三頭筋や三角筋前部も動員されます。つまり、動員される筋肉が多い、力をしっかりと出せる種目です。
なので、両方をやる場合はプレス系を先に行ったほうがいいでしょう。そのあとにダンベルフライで胸を的確に刺激していくという順番が効率がいいと思います。
鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。