運動不足になると肥満や病気などのリスクが高まることは容易に想像がつきますが、じつは自律神経にも影響を与えていることをご存知でしょうか。自律神経が乱れると心身ともにさまざまな影響が表れます。ここでは自律神経とは何なのか。どのように調整すれば良いのかを探っていきます。

【ヨガコラム】運動不足解消!自律神経にアプローチする4つのヨガポーズ
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

自律神経とは自らの意思と関係なく24時間働き続け、内臓の働きや代謝、体温などの機能をコントロールしている神経です。私たちの身体はその働きによって心身が健康な状態に保たれています。自律神経が乱れると疲れが取れにくくなったり、頭痛や肩こりなど身体的な不調が起こりやすくなります。
また、不安や過緊張、気分の落ち込みなど精神的な症状が出ることも。原因はさまざまありますが、主に精神的なストレスや肉体疲労、不規則な生活が原因となり、運動不足もその原因の一つです。それでは、自律神経のバランスが乱れた状態とはどんな状態でしょうか。また、自律神経を整えるにはどうしたら良いのでしょうか。
自律神経には心や身体の状態を活発にする交感神経と、ゆっくりと休ませる副交感神経があります。交感神経が優位になると、血圧が上昇する、呼吸が浅くなるなどの症状が表れ、逆に副交感神経が優位になると、心拍数や呼吸のリズムが落ち着き、リラックスの状態になります。しかし、その状態が過度に続くと、血流が滞り、だるさが出る、眠気が続くなどといった症状が起こることがあります。
つまり、どちらかが優位になりすぎることで不調が表れるのです。これが自律神経の乱れた状態です。言い換えれば、自律神経は交感神経と副交感神経のバランスが重要なのです。ここでは交感神経、副交感神経を優位にするポーズをそれぞれ紹介していきます。両方を行うことによって2つの神経のバランスを整えることができ、自律神経の調整に繋がります。また、深い呼吸も有効ですので、ゆったりと深い呼吸を意識して行ってみてください。


【lesson.1】全身の大きな筋肉を動かし交感神経を刺激するストレッチポーズ

①足を前後に大きく開き、両足の間に上半身がくるように立ちます。息を吸いながら、身体の中心軸を引き上げるようなイメージで両手をあげましょう。
②息を吐きながら前足の膝と両肘を曲げて肘を背中側に寄せていきます。
※①②を1セットとして、1呼吸1動作で3~5セット繰り返しましょう。


【lesson.2】アクティブな呼吸で交感神経を刺激!セツバンダアーサナ

①あお向けになり、足を腰幅に開いて両膝を立てます。顎が上がらないよう軽く引きましょう。
②息を吸いながら、足裏全体で床を押していき床から背骨を一つずつ離すようにしてお尻を持ち上げていきます。
③息を吐きながら、背骨を上から一つずつ下ろすように元の位置に戻ります。


【lesson.3】お腹まわりの筋肉を伸ばし副交感神経を優位に。ジャタラパリヴァルタナアーサナ

あお向けになって両手は楽な位置に置きます。息を吸って左膝を立てて、吐きながら右側に倒します。ゆっくりと3~5呼吸行い、反対側も同様に行います。


【lesson.4】ゆっくりと深い呼吸で副交感神経を高める。パールシュヴァスカーサナ

左右の足を交差させ、骨盤を立てて背筋を伸ばして座りましょう(安楽座)。右手を身体の横に置き、息を吸いながら左手を横から上に上げ、息を吐きながら上半身を右へ倒します。体側の伸びを感じながら3~5呼吸キープしましょう。反対側も同様に行います。



教えてくれたのは……MAIMAIさん
人気ヨガ講師、モデル、ヨガグッズデザイナーとして活躍中!ヨガ専門誌やフィットネス雑誌、DVD、書籍などにモデルとしても多数出演し、ヨガ講師としては都内を中心に台湾進出も果たした、人気ヨガ講師。クラスでは、姿勢や身体のくせを理解した上で、アクティブなレッスンを提供している。身体の構造を分かりやすく丁寧に教えている。

取材・文:高野真利(初出:Yoga&Fitness Vol.09) 撮影:中原義史