クロアチアといえば、国際サッカー連盟(FIFA)主催の世界サッカー選手権(W杯)での活躍を思い出す読者も多いだろう。クロアチア代表は準優勝した前回のモスクワ大会に次いで今回のカタール大会では第3位に入った。FIFAの最優秀選手賞にもなったMF ルカ・モドリッチ選手に代表されるクロアチアチームの華麗なコンビネーションの良さは世界のサッカーファンにとって魅力的だ。

海水浴旅行者で溢れるクロアチアのアドリア海沿いのプーラ(2017年8月1日撮影)

海水浴旅行者で溢れるクロアチアのアドリア海沿いのプーラ(2017年8月1日撮影)

残念ながら今回は「サッカーの話」ではない。クロアチアは2023年1月1日を期して欧州の単一通貨ユーロ加盟国に入ったのだ。同時に、欧州域内の自由な移動を認めたシェンゲン協定に正式に加盟した。クロアチアにとって、1991年にユーゴスラビア連邦から独立、翌年の1992年に国連に加盟、その後、2009年に北大西洋条約機構(NATO)、13年に欧州連合(EU)に加盟。そして2023年の今年、ユーロ導入とシェンゲン協定加盟で同国の欧州統合は完結した、ともいえるわけだ。その意味で、2023年はクロアチアにとって文字通り、新しい出発の年となるわけだ。