
Devrimb/iStock
前稿で何でも自然災害を気候変動のせいにする政治家が増えていると書いた。データに基づかない、科学を無視した振る舞いだ。
その一方で、気候危機論者に無視され続けているデータは数多い。
いつも分かり易い図をまとめるロンボルグが下図をフェイスブックに掲載してくれた。
「気候に関連した死亡」とあるのは自然災害による死亡数。洪水、日照り、暴風雨、山火事、異常高温などによるものだ。
折れ線は十年ごとの平均を示したもの。1920年から29年までの十年の平均から、2010年から2019年までの十年の平均をつなげたものだ。最後の3つの点は、各年の死亡数。
図から一目瞭然、気候に関連した自然災害で亡くなる人は激減した。その傾向はなお続いている。
2022年には、「自然災害が頻発している、気候変動のせいだ」、と言う報道がずいぶん流れた。だが実際には、2022年に洪水、干ばつ、嵐、山火事、異常気温などの気候関連の自然災害で死亡した人は100年前より98%も少なくなっている。
この災害のデータは、世界的に最も権威のあるデータベース、国際災害データベースEM-DATによるものだ。
このグラフが1920年から始まっているのは、初期の数十年間の報告については不確かなためだ。このことは、死者数の減少はこれでもなお過小評価になっていることを示唆する。
このように、気候関連災害で死亡する人数を見れば、それが劇的に減少していることは否定しようがない。これは、より経済的に豊かな社会こそが、よりよく人々を守ることができるからだ。
ロンボルグは述べる。