最近スーパーなどでもよく見かけるようになっている「冷凍寿司」。美味しさの秘密はどこにあるのでしょうか。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
冷凍寿司の自動販売機が登場
いま非常に注目を集めている「冷凍食品自動販売機」。生鮮食品から揚げ物などの惣菜、ラーメンに至るまで、様々なジャンルの冷凍食品が自動販売機で販売されるようになっています。筆者の家から最寄り駅の間にもすでに3機が設置されており、飲み物の自動販売機よりも多いほどです。
そして先日にはついに「冷凍寿司」の自動販売機が設置され、話題となっています。設置したのは持ち帰り寿司専門店の「京樽」で、6種類の冷凍寿司を購入可能となっているそうです。
購入した冷凍寿司は常温での解凍のほか、電子レンジを使って素早く解凍することもできるといい、利便性は高くなっています。
実はいまアツい「冷凍寿司」
今回このようなユニークな自動販売機が生まれた背景には「冷凍寿司のブーム」があると言えます。
実は「冷凍寿司」そのものは数年前から注目されつつあるジャンルでした。メーカーによっては平成時代中期より開発を始めており、一昨年あたりからいよいよメディアでもよく取り上げられるようになった印象があります。
そして今では、スーパーマーケットによっては冷凍寿司専用のコーナーがあるところも珍しくありません。寿司が丸のまま真空パックに詰まって冷凍されているのを初めて見たときは、正直かなりびっくりしたものでしたが、今では見慣れてしまい特段驚くこともありません。
なぜ冷凍寿司が美味しく食べられるのか
このような冷凍寿司ですが、多くの人が驚くのはおそらく「生のものと味がほぼ変わらない」ことでしょう。筆者も食べてみたことがありますが、ものによってはスーパーの総菜コーナーに並んでいる生の寿司より味が良いと感じられることもあります。
これは、冷凍寿司が「電子レンジで解凍可能」であるため。電子レンジは食品中の水分子を振動させて温めるという仕組み上、水分の含有量などによって、同じ時間加熱を行ってもその温まり方に差が出てしまいます。
普通の料理だと欠点になることもあるこの現象が、冷凍寿司には好ましい結果を及ぼすといいます。というのが、冷凍寿司をレンジで適切な時間温めると、酢飯が人肌の温度になるころ、上に乗るネタが10℃前後になってくれるのだそう。これは寿司職人が握った寿司の、握りたての一番おいしいとされる寿司の温度帯だそうです。
普通に解凍するだけで一番美味しい状態になってくれるという点では、寿司はいわば「最も冷凍に適している食べ物」と言えるのかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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