TNRという言葉を聞いたことはありますでしょうか。
猫の保護活動の時に使う言葉であり、テレビ番組やネットメディア、SNSなどで動物愛護が注目される機会が増えたことでTNRという言葉も耳にするようになりました。
目次
TNRの意味・略
・T=TRAP
・N=NEUTER
・R=RETURN
猫について学ぼう
・猫の飼育頭数
・猫の殺処分数猫
TNRの意味・略

TNRとは、T=TRAP、N=NEUTER、R=RETURNの頭文字から取った言葉で、それぞれの意味は以下の通りです。
T=TRAP
野良猫を捕まえることを指します。
主に捕獲器を使って野良猫を捕まえています。
捕まえ方は、一定の場所や時間に食事を与えて慣れさせた後に保護をする形となります。
N=NEUTER
不妊手術することを指します。
不妊手術は、不幸な猫が増加しない為に、行います。不妊手術を受けた猫の印として耳がカットされます。
不妊手術の目的としては、猫は生後半年から出産が可能となり、年間2・3回出産して、1度に約5頭生みます。
放置しておくと、野良猫が増加していってしまうのです。
耳をカットする理由
耳をカットするのは、見た目で手術済みだと分かるようにする為です。何度も捕獲や処置されるリスクを減らす事につながります。
麻酔中で痛みを感じず、負担が少ない場所として、耳をカットする形になりました。
ちなみにV字にカットされた耳は、さくらの花びらのような見た目なので、さくら猫と呼ばれています。
R=RETURN
元の場所に戻すことを指します。
不妊手術が終わった猫を元いた場所へ戻します。
猫を保護せず戻すには、保護するための施設が必要です。施設の数や予算も限りがあるので、全ての猫を保護することは困難です。
また野良猫として生きてきた猫を無理矢理保護して新しい場所で生活させることは、猫へのストレスにも繋がります。ストレスが原因で病気になることも考えられます。こうした猫は、元の場所に戻して地域の猫として暮らせるようにしています。
このような一連の活動をTNRと呼んでいます。
猫について学ぼう

猫の飼育頭数
猫の飼育数は、国内で何頭くらいいるのでしょうか。実は数年前に起こったネコノミクスから猫人気が高まり、猫の数は、犬の数を上回りました。
- 頭

猫の飼育頭数推移
- 2016年 8,333万頭
- 2017年 8,672万頭
- 2018年 8,849万頭
- 2019年 8,764万頭
- 2020年 8,628万頭
- 2021年 8,946万頭
猫の殺処分数猫
猫の殺処分数は犬より多く、国内の殺処分の問題は、主に猫が課題となっているというのが数値からも分かります。
- 猫の引き取り数:44,798頭
- 猫の返還数:255頭
- 猫の譲渡数:25,130頭
- 猫の殺処分数:19,705頭

全国の犬・猫の引取り数の推移

全国の犬・猫の返還・譲渡数の推移

全国の犬・猫の殺処分数の推移

平成16~令和2年度の犬・猫の引取り及び処分の状況

参照元:環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」