UCCで自家焙煎を学ぶ人が急増 おうちコーヒー文化の成熟が背景 コロナ禍に開業の動きも
(画像=自家焙煎店を開業した嶋崎泰さん、『食品新聞』より引用)

UCCホールディングスは12月5日、コーヒーの新トレンドとしてUCCグループのコーヒーの総合的な教育機関「UCCコーヒーアカデミー」で自家焙煎を学ぶ人が3年間で約2.5倍になったことを明らかにした。

コロナ禍による“おうち時間”の増加によって家庭内でのコーヒー飲用機会が増えたことが背景にあると同社はみている。

UCCコーヒーアカデミーの栄秀文学長は「“おうちコーヒー”とも言える文化が成熟して“自分オリジナルの味を楽しみたい”“もっとおいしいコーヒーを飲みたい”といったハイクオリティ・パーソナライズへのこだわりが自家焙煎のトレンドを生み出したのだと思っている」と説明する。

UCCコーヒーアカデミーのスペシャリストコースの中にある「焙煎セミナー」は、新型コロナの流行に伴い開催数を減らしたものの、今年になって急速に受講者数が急増。2022年10月末日の時点で受講者数合計は282人。コロナ前の19年の年間受講者数(211人)を超えるほどの勢いとなっている。

実際に「焙煎セミナー」を受講してコロナ禍に自家焙煎店を開業する動きもみられる。
大手小売チェーンストアに37年勤務し21年12月に定年を迎えた嶋崎泰さんは今年8月に、コロナ禍で下火になったタピオカ屋の跡地に自家焙煎店を開業した。

消費者と接点のある小売カテゴリーでの経験を活かしてコーヒーに関わる仕事を始めてみたいと考えた嶋崎さんは、カフェや喫茶店は席数の制限やワンオペの限界からビジネスとして成立させるほどの売上げを安定維持するのが難しいと判断。

一方、自家焙煎店については「積み上げ式で、店舗とECによる販売で少しずつリピーターを増やすことで売上げを拡大していくことができる」との勝算を見込む。

提供元・食品新聞

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