顧客情報や取引先の情報、従業員情報など、さまざまな情報をネットワークやサービス上で扱うようになった昨今、重視されているのが「情報セキュリティポリシー」です。経営者や情報管理の責任者・担当者であれば、自社の情報セキュリティ対策や基本指針は必ず考えておかなくてはなりません。

本記事では、そんな情報セキュリティポリシーの基本知識をわかりやすく解説。構成する3つの要素や定めた情報セキュリティポリシーを整備する5つのポイントなどもご紹介しています。中小企業の経営者や情報管理責任者はぜひ参考にしてみてください。


本記事の内容をざっくり説明



  • 情報セキュリティポリシーを構成する3要素とは

  • 定めておきたい情報セキュリティポリシーのガイドラインをご紹介

  • 情報セキュリティポリシーを策定・整備する際のポイントを解説



情報セキュリティポリシーとは

情報セキュリティポリシーとは、企業や組織が策定する情報セキュリティ対策の方針および行動方針のことです。

一般的に情報セキュリティーポリシーには、どのような情報資産を自社で扱い、また脅威から保護するのかといった基本的な情報を記載します。さらに、情報セキュリティを確保するための運用規定や運用体制、基本方針に加えて基本対策なども具体的に明記します。

情報セキュリティポリシーは、企業や組織が持つ情報資産を保護するために作成されるものですが、メリットはそれだけではありません。

導入や対策を実施することを通して、従業員の情報セキュリティリスクへの意識向上を図れたり、取引先からの信頼を得やすくなったりするのもメリットといえます。

情報セキュリティポリシーによって従業員一人ひとりの意識が高まることで、情報漏えいやサーバーウイルスなどの脅威から、大切な情報資産を守ることができるのです。

参照元:総務省「情報セキュリティポリシーの概要と目的」

情報セキュリティポリシーが重視されている理由

企業や組織にとって、情報セキュリティのリスクマネジメントは重要な経営課題です。個人情報や顧客情報などをクラウドや自社システム上で一括管理している企業は多いため、万が一、セキュリティトラブルが起きてしまった場合、大きな問題へと発展しかねません。そうした情報管理のリスクマネジメントを行う際に意識したいのが、情報セキュリティポリシーです。

サイバー攻撃への対策のため

情報セキュリティポリシーは、サイバー攻撃への対策として有効と認識されています。

例えば、従業員が使用するパソコンがウイルスに感染してしまった場合、そのパソコンで自社のネットワークや情報管理クラウドにアクセスしてしまうと、システムの停止やほかにログインしている従業員への感染は避けられません。

情報セキュリティーポリシーがきちんと構築されていれば、そうしたウイルス感染や外部からのサイバー攻撃などに備えることが可能。業務が止まってしまうリスクを減らせるほか、ブランドイメージを毀損せずに済みます。

情報漏えいを防ぐため

今や企業や組織は、顧客や事業などの情報のほとんどをシステムで管理しています。利便性は向上したものの、情報漏えいによる信頼の失墜や情報システム停止による損失など、常に情報セキュリティのリスクとは隣合わせの状態にあります。

情報セキュリティ対策を行えば、企業はそうした情報漏えいのリスクを少なくすることが可能です。顧客の情報流出による企業イメージの損失を未然に防ぐことができます。