こんにちは!「三度の飯と山が好き!!」のニックネーム、倉山(くらさん)です。

今年もあっという間に師走に入り残す日も僅かとなってしまいましたが、山が好きな皆さまは今年もたくさん登山にでかけましたか?私は夏山以降、事情により秋の山へでかけることができませんでしたが、紅葉が素晴らしい登山の様子や情報は山仲間からたくさんもらいました。

少し前ですが、8月「たびこふれ編集部の自称、低山クライマーのシンジーノさん」と登った標高日本第2位の南アルプス『北岳』からの景色が余りにも素晴らしかったので、2022年締めの記事としてその様子を紹介させて頂きます。

目次

北岳?ってどこにあるどんな山でそこまでどうやって行くの??
今回計画した北岳と間ノ岳(白峰三山ルートの一部)をご紹介
雑談とワンポイントアドバイス

北岳?ってどこにあるどんな山でそこまでどうやって行くの??

北岳は深田久弥氏著作物の「日本百名山」に数えられる名峰で、静岡、長野、山梨の3県にまたがり14もの3000超級の峰がそびえる日本一の山脈、赤石山脈の南アルプスの中で北の位置にそびえ立つ標高は日本第2位の高さで登山体力と技術が共に中級者向けの山です。

標高日本一の山は私も大好きな富士山3,776mが断トツですが、次が北岳3,193mです。また、第3位は北岳から稜線で繋がる間ノ岳と北アルプス穂高連峰の奥穂岳が同じ標高で3,190m、第5位は北アルプス槍ヶ岳3,180m、第6位は南アルプス悪沢岳3,143mと続きます。

第2位以降の標高に大差はありませんが、登ってみればどの山にも感動がいっぱい詰まっています。(詰まっていました!)

南アルプス(赤石山脈)は、南北120kmに及ぶ山塊なので名峰への登山口がいくつもありますが、北岳の場合は山梨県の甲府市や南アルプス市が交通の拠点になりますので、JR電車を利用の場合、甲府駅前から夏山季節になると登山口となる広河原行きの登山バスが便利に直通運行されています。また、マイカーの場合、一般車の通行は規制されるため広河原に向かう途中、芦安(あしやす)地区の駐車場に車を停めてシャトルバスに乗り換えて登山口まで向かいます。

今回、私が北岳に登るのは5回目になりましたが、下山後の温泉そしてお疲れ様の冷たい一杯とご当地の名物料理をいただくことも登山の楽しみの1つにしていますので、交通機関は電車とバスを利用することがほとんどです。

今回計画した北岳と間ノ岳(白峰三山ルートの一部)をご紹介

1日目:8/10

甲府駅南口バス停(9:05発)==<山梨交通バス 2,290円>==広河原バス停(10:58着※標高1,510m)・・・インフォメーションセンター(昼食と登山準備/12:00スタート)・・・野呂川の吊り橋を渡り登山道へ・・・広河原山荘・・・分岐・・・トラバース道をのんびり行く・・・白根御池小屋・テント場(14:30頃着※2,200m)・・・設営後、のんびりお過ごし下さい。

【白根御池小屋の基本情報】

TEL:090-3201-7683 (小屋直通)【食事:朝・自由/昼・弁当/夕・自炊】※テント場料金 1,000円/1泊

2日目 8/11

テント場(3:00スタート)・・・急坂の草すべり・・・下降点分岐(5:00頃)・・・北岳肩ノ小屋(6:00頃/朝食休憩)・・・岩稜帯歩き・・・北岳山頂(6:30頃※3,193m)・・・吊り尾根分岐・・・北岳山荘(休業中です7:30頃※2,902m)・・・中白根山山頂(※3,055m)・・・岩稜帯続き・・・ 間ノ岳山頂(9:30頃※3,190m)・・・(昼食休憩)・・・ 吊り尾根分岐まで来た道戻る(11:30頃)・・・八本歯のコルを下る(ハシゴと岩稜の連続注意!)・・・大樺沢二俣(13:30頃※2,209m)・・・右俣コース・・・下降点(15:30頃)・・・ 白根御池小屋・テント場(16:30頃着)

【食事について】

朝・自炊/昼・自炊/夕・自炊(朝と昼は調理パンなどの持ち運びが便利)

3日目 8/12

テント場(のんびり朝食後7:30スタート)・・・トラバース道をのんびり行く・・・分岐・・・広河原山荘・・・ 広河原バス停(10:00発)==<山梨交通バス 2,290円>==甲府駅バス停(11:55着)・・・(徒歩15分)・・・昭和レトロな源泉かけ流しの温泉 喜久乃湯温泉(430円)・・・(甲府駅に向かいながら途中、お疲れさま昼食会)・・・甲府駅(15:00頃/帰路の途へ)

【食事について】

朝・自炊/昼・甲府市内/夕・自由

こんな3日間の登山計画を立ててテント道具を詰めたザック約20kgを背負ってでかけました!2日目の荷物は軽みになりますが、何と言っても体力勝負の日です。岩場も多く傾斜もキツイため登山技量も試されるルートです。

<ここで天候の事情で行程変更をしましたので改めてご紹介致します>

1日目の夕食時間をテントサイトでのんびり過ごしていると山岳救助のGPSシステム「ココへり」の入会キャンペーンの方々と会話する機会がありまして、台風が発生し、急接近してくる情報を得ました。

入山前の情報では今回の3日間に影響はないと思っていましたが、山深い場所だけに下山ができなくなる悲劇を考え、シンジーノさんと行程の変更を検討し「間ノ岳」は次回のお楽しみにすることにして2日間で北岳のみ登頂して下山することにしました。

2日目:8/11 山の日に下山する行程に変更

テント場(3:00スタート)・・・急坂の草すべり・・・下降点分岐(5:00頃)・・・北岳肩ノ小屋(6:00頃/朝食休憩)・・・岩稜帯歩き・・・北岳山頂(6:30頃※3,193m)・・・吊り尾根分岐・・・八本歯のコルを下る(ハシゴと岩稜の連続注意!)・・・大樺沢二俣(※2,209m)・・・白根御池小屋・テント場(11:00頃着)・・・テントを撤収する・・・トラバース道を行く・・・分岐・・・新広河原山荘・・・広河原バス停(14:00発)==<山梨交通バス 2,290円>==甲府駅バス停(15:55着)・・・(徒歩15分)・・・昭和レトロな源泉かけ流しの温泉 喜久乃湯温泉(430円)・・・(名物山賊焼きの蕎麦でお疲れさま会)・・・甲府駅(18:30ごろ/帰路の途へ)

【食事について】

朝・自炊/昼・広河原山荘/夕・甲府市内

私は、過去に台風の影響を受けて大変貴重な経験をしていますので、この行程で決定となりました。今回変更後でも下記の登山ポイントは残しました。

標高日本第2位の北岳に登頂 北岳から御来光を拝み山々の眺望を楽しむ 荒々しい岩稜帯の登山道を楽しんで歩く 目的は達成する内容になっていますので、2人の間に異論は有りませんでした。

それではルートに沿って写真でご紹介!

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

集合場所にした甲府駅前に建つシンボル「武田信玄」の銅像です。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

こんな山奥に近代的な新広河原山荘がオープンしていました。

北岳の登山口のひとつである広河原に行かれた方には記憶にあると思いますが、野呂川に掛かる吊橋を渡ると建っていた「広河原山荘」がなんと!インフォメーションセンターに隣接して『新広河原山荘』として新築移転してリニューアルオープンしていました。

1階の広々とした食事場所が店内外に作られ、館内にシャワー設備もあります。収容人数もテント場もゆったり充実していて、次回利用したいと思う山荘に生まれ変わっていました。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

登山口は野呂川の吊り橋を渡り始まります。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

大樺沢ルートは残雪と土砂の影響で通行止め。お祭りの様に沢山の忠告看板でした。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

歩き始めて出迎えてくれたのは巨大なきのこ。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

台風の影響なのか荒れた登山道が続きます。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

カラフルなこのきのこと出会った時はメルヘンチックでびっくり!

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

名前がすぐに出てこなかったですが、高山植物はとても豊富です。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

3時間も歩けば本日の幕営地の「白根御池小屋」に到着。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

テントを張ったらお楽しみの夕食を自炊します(テント場とても整備されています)。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

8月11日、山の日を迎えました。真っ暗闇をヘッドライトで山頂めざして登ります。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

シンジーノさんと登る時は毎回御来光が素晴らしい!夜がどんどん明けてきます(鳳凰三山を望む)。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

標高は2,900mを越えました。富士山は何時でもどこから見ても美しい山ですね。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

モルゲンロートをご存じですか?北岳も朝焼けでバラ色に美しく染まります。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

どうぞご覧ください。北岳からの御来光です。周辺を一気に明るくして温かくなります。

御来光の動画も準備しました。輝く山々をぜひご覧ください!

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

これが北岳のバットレスです。凄くかっこ良い山だと思いませんか?

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

甲斐駒ヶ岳の雄姿。たまりませんね!

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

標高日本第1位と第2位の山を並んで眺めることができます。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

北岳肩の小屋に到着。標高3,000mに建つ立派な山小屋です。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

北岳山頂も間近の登山道。これが「天空の稜線」と言われる展望です。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

北岳山頂と富士山。とても素晴らしい景色です。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

標高日本第2位の北岳3,193mに登頂のツーショット。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

白峰三山の天空の稜線は本当に美しい。この先、中白根、間ノ岳、農鳥岳と続きます。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

吊り尾根分岐まで下りました。変更した行程通り間ノ岳は次回にして八本歯のコルを下る。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

名前がなかなか出ませんが、この時期は高山植物の宝庫です。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

岩稜帯の下りで慎重に足を運ぶシンジーノさん。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

木道の下りもなかなかスリリングです。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

角度を変えて北岳のバットレスの雄姿。ここでオカリナの音色が響いてきて癒されました!

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

高山植物は綺麗ですね。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

テント場に無事に戻ってきました。テントを撤収し、広河原目指して再び下山開始。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

こんな急な樹林帯をひたすら下ります(今回は登りと下りが同じ道になります)。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

ここが標高約1,800m付近の第1ベンチ休憩所です。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

登山口になる広河原バス停とインフォメーションセンターの様子。

<ちょっとブレイク>

2日目の昼食は広河原に下山後、新装オープンした「新広河原山荘」で冷たいビールをいただきながら食事を取ろうと計画をし、下山していましたがその途中、標高1,800mの第1ベンチ付近でアクシデントが発生してしまい、それ以降のご案内を写真でできなくなってしまったことがとても残念です。 しかし、甲府で楽しみにしていました「名物山賊焼きの蕎麦」の写真は、シンジーノさんがしっかり食べて写真に残していましたので、ご紹介します。

【山の日登山】標高3,000m超えの眺望『北岳』2022年夏登山!!
(画像=『たびこふれ』より引用)

どうですかこのボリューム。これが山賊焼きを乗せた満腹の蕎麦です(カロリー高そう!)

雑談とワンポイントアドバイス

今回ご紹介しました北岳は、登山体力と技術が中級者以上と紹介させて頂きましたが、3ヶ所ある山小屋の設備も大変良く日数を掛けてゆったり登ることもできますので、ある程度の登山を経験している方は山旅先として候補に入れてみてはどうですか?

また、体力と技量ともに自信がある方には白峰三山(しらねさんざん)の北岳 (3,193m) 間ノ岳 (3,190m) 農鳥岳 (3,026m)を縦走するコースをおすすめします。

私は、広河原から登り奈良田に下山するルートを歩きましたが、2泊3日でも可能です。あと北岳には、バットレスと言われる標高差約600mの巨大な岩壁があり、強者達はそこでロッククライミングを楽しみますが、私の技術では足りませんので、ここでの紹介は控えますね。

花の宝石箱といわれる北岳の高山帯の岩場には、特有なキタダケソウを始め高山植物のお花畑もあり、数え切れないほど多くの花が見られますので、お花が好きな方にもおすすめできる山です。

そして登山準備としてはどの山でも共通しますが、登山道具3点セットはしっかりした物を用意するのが大切です。登山を始めようと思った時から確実な物をご用意ください。

  1. 登山靴・・・自分の足にフィットし履き慣らした靴がこれ絶対です

  2. レインウェア・・・透湿耐水性機能が高い素材の物を入手する(ゴアテックス素材が有名です)

  3. 登山ザック・・・荷物は全てザックの中にしまい登山中は両手が使えること、また、必要以上に大きなサイズを準備して余分な荷物を増やさないようご自身の荷物はご自身で背負って登山できる重さで準備してください

これ重要ですが、万が一の事故発生に備え【傷害保険】に加入しておくことも大切です。

各種の山岳保険も販売されていますが、ピッケルやアイゼンを使うなど危険な登山でなければ普通傷害保険でも適用されますのでご確認のうえ加入をおすすめします。遭難して救助にヘリコプターを飛ばすと100万円の請求がくることもありますので、救援者保険の加入状況やどんなアクシデントに対応ができるのか合わせて確認を忘れずに!

それにしてもテントを背負っての夏山登山は何度でかけても楽しめることがたくさんあります。こんなに素晴らしい夏山登山に時間を掛けてゆったりお花を見ながら登ってみませんか。

文・写真・倉山(くらさん)/提供元・たびこふれ

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