囚人の中には、より良いコミュニティを求めて様々な場所に移住する者も出てくる。ただ、移住は出獄ではなく、より良い監獄への移動を意味するだけだから、移住は繰り返される。20世紀以降、地球上では移住の世紀を迎えた。

移住は「出獄準備」の仮想的な行動だ。地球という監獄に住む囚人たちの中に「われわれはここから出ていかなければならない」といった集合的無意識に駆りたてられ、地球上で彷徨う。また、宇宙に新しい希望があると考え宇宙へエクソダスを願う人間も出てくる。「移住」も「出地球エクソダス」も基本的にはこの「出獄」を願う集合的無意識の覚醒がもたらした現象といえる。

いずれにしても、「出獄」の日が近づいてきたことは間違いない。宗教的な囚人はそれを「終末」と呼び、14万4000人の選ばれた囚人だけが「出獄」できると主張する囚人グループも出てくる。自分が他より早く出ていきたいといって「出獄」を待つ列で争いが生じる。

もちろん、「地球という監獄から出ていきたくない」と考える囚人の群れも現れてきた。彼らは神の戒めなど不必要と豪語し、監獄に自分たちの世界を作り、そこに君臨しようとする。

21世紀も既に23年目を迎えた。「出獄を目指す群れ」と「監獄の主人に君臨することで満足する群れ」とに分かれきた。羊とヤギを分けるように、「地球の監獄」では囚人の間で最後の振るい分けが進められてきているのだ。

世界の指導者たちは悔い改める年となるだろうか 各首脳SNS・各政党HPより(編集部)

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年1月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。