2015年9月の国連サミットで、加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」。17の目標の達成期限である30年に向けて、日本では22年4月にはプラスチック資源循環促進法が施行されるなど、身の回りでサステナブルな取り組みに接する機会が確実に増えてきている。
SDGsはますます身近なものに
2021年、「SDGs」(持続可能な開発目標)は、「現代用語の基礎知識選2021ユーキャン新語・流行語大賞」の候補にノミネートされるほど注目された。そして、その存在はますます身近に感じられるようになっている。

博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査2022」(調査期間:2022年3月18日~19日、調査対象:全国16~79歳の男女5158名)によると、「SDGs」について「内容を知っている」が5 割(50.5%)、「名前を聞いたことがある」を含めると8割(80.8%)となり、2021年調査と比較して、それぞれ20ポイント以上も上昇している。
20年7月からレジ袋の有料化が始まったが、食品スーパーでのレジ袋の辞退率は約80%(2022年スーパーマーケット年次統計調査報告書)。22年4月には、「プラスチックの資源循環を促進し、プラスチックごみを減らすことで持続可能な社会を実現すること」を目的としたプラスチック資源循環促進法が施行され、コンビニエンスストアや食品スーパーのカトラリー、総菜や弁当の容器は、再生可能なもの(紙製や木製など)や環境負荷を減らすバイオプラスチック等を利用したものが増えてきている。
街中の自動販売機で「水」を購入すると、ラベルレスのペットボトルが出てくることも珍しくない。
いまや、自分自身が、エコな生活を好むと好まざるとにかかわらず、サステナブルな暮らしに接するようになっているのだ。
進化するメーカーのサステナブルへの取り組み
日常生活に身近な製品を提供するメーカーは、サステナブルへの取り組みを日々進化させている。

「日本生まれの天然水を、おいしく飲み、しぼって(つぶして)、リサイクルする」というコンセプトで09年から発売されているコカ・コーラシステムの「い・ろ・は・す 天然水」は、13年ぶりとなるボトルリニューアルを行い、強度を確保したままたたみやすくした『スパイラル(ひねり)構造』を採用し、“ラベルレスルック”のデザインを取り入れた(北海道で先行販売中)。
22年に発売20周年を迎えた明治の「明治おいしい牛乳」は、インターネット上のコンテンツとして「おいしいHappyAction」を展開、そのなかで紙パックリサイクルの啓蒙活動を行う一方で、キャップや注ぎ口などに使用しているプラスチックのバイオマスプラスチックへの切り替えを順次進めている。

また「明治プロビオヨーグルトR-1」ブランドでは、従来からペットボトル容器の軽量化によるプラスチック使用量の削減に取り組んできたが、さらにドリンクヨーグルト初のラベルレスボトルを採用し、6本を1箱にしたシリーズを22年9月から全国発売した。


2005年1月には、日本に籍を置く企業として初めてRSPO(環境や人権に配慮したパーム油を使用していることを証明する機関)に加盟し、10年には日本初となるRSPO認証パーム油を原料として使用した商品の販売を開始した。
22年9月から、このRSPO認証パーム油を使用していることを証明する「RSPO認証マーク」を主力製品4種類6品目のパッケージに表示しているのがカルビーグループ。21年7月から、順次国内工場で認証パーム油の切り替えを開始し、国内の全工場への導入を完了させている。
