日本フードサービス協会が発表した11月の外食売上高(全店ベース)は、前年同月比8.9%増だった。4月以降続いていた2ケタ増は途切れたが、12カ月連続で前年実績を上回った。
2019年11月と比べても0.7%増となり、2カ月連続でコロナ禍前の水準を超えた。感染症拡大に伴う行動制限がなくなったことで客数が1.5%増えたほか、値上げ効果もあって客単価が7.2%増となった。
ただ、同協会では「原材料費、エネルギー費、人件費等の高騰は価格改定ではカバーしきれないほど大きい」としており、売上は伸びても利益が圧迫されていることがうかがえる。さらに、「自粛気味の消費マインドが加わり、とくに夜間の客数が振るわず、全体として勢いのある回復とは言えない」と厳しい見方をしている。
業態別ではファーストフードが9.2%増と好調を維持し、19年11月比でも11.6%増となった。ファミリーレストランは7.5%増、パブ・居酒屋は14.7%増、ディナーレストランは8.1%増、喫茶は11.4%増だったが、いずれも19年11月の水準には届かなかった。
パブ・居酒屋はサッカーワールドカップ観戦需要などがあり、個人客にはコロナの影響は見られなかったものの、法人の宴会需要は戻っておらず、19年11月比では38.6%減にとどまった。
提供元・DCSオンライン
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